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2013年3月18日(月)

中国全人代閉幕 「平和発展の道」強調

習国家主席が演説

「主権擁護」は強硬姿勢も

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(写真)全人代の閉会式で演説する習近平国家主席=17日、北京の人民大会堂(小林拓也撮影)

 【北京=小林拓也】北京で開かれていた第12期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)第1回会議が17日、政府活動報告などを賛成多数で可決し、閉幕しました。閉会後、李克強氏が首相として初めて記者会見に臨みました。

 閉会式で演説した習近平国家主席は、外交政策について、「終始変わることなく平和発展の道を歩み、世界各国との発展・友好・協力に力を注ぎ、果たすべき国際的な責任と義務を履行し、人類の平和と発展の崇高な事業を推進する」と表明しました。

 一方、人民解放軍などに対し、「断固として国家主権や安全、発展の利益を防衛し、人民の生命・財産・安全を守らなければならない」と指示するなど強硬な姿勢も示しました。

 また、「人民民主を拡大し、法治国家を推進する」「人民の叫び声を聞き、人民の期待に応え、人民の平等な参与や発展の権利を保証し、社会の公平・正義を守る」と述べ、人民重視の姿勢を強調。「憲法に与えられた職責を忠実に履行し、人民から受けた信任と重い使命を決して裏切らない」と決意を表明しました。

 決議の採択では、「2012年予算執行状況と13年予算案」に対し、反対・棄権票が計22%と批判が集中。汚職などの状況を報告した最高人民検察院(最高検)活動報告と最高人民法院(最高裁)活動報告に対する反対・棄権票もそれぞれ21%と25%にのぼり、汚職・腐敗や所得格差拡大などを解決できない政府への不満が示されました。

李克強首相が環境対策決意

 【北京=小林拓也】中国の李克強首相は17日、全人代閉幕後の記者会見で、中国の広範囲な地域に影響を及ぼしている大気汚染について、「私もみんなと同じように気持ちが重い」と述べ、環境汚染対策の推進に強い決意を示しました。

 外交政策について、李首相は「たとえ中国が発展し強大になっても、君臨することはない」と強調。そのうえで、「平和発展の道を進むことは中国の確固とした決心であり、国家主権と領土を守ることも揺らぐことのない意志だ」と述べました。

 米国との関係について、李首相は「中米間に食い違いがあることは否定しない」としつつも、「双方が相手の重大な関心を尊重し、食い違いをうまくコントロールすれば、共通の利益によって相違を乗り越えることができる」と指摘。中米の利益が交錯するアジア太平洋地域から「中米の新しいタイプの大国関係」を構築したいと呼びかけました。


経済モデル転換急務

政府次官 大気汚染対策を説明

 【北京=小林拓也】中国の大気汚染など環境問題が話題となるなか、15日に全国人民代表大会(全人代、国会に相当)に合わせて、中国環境保護省の呉暁青次官が記者会見し、内外メディアの質問に答えました。

 呉次官は大気汚染の問題について、「大ざっぱな経済発展モデルが重い環境の代価を支払っている」「早急に、経済発展モデルの転換、産業構造の調整、時代遅れの生産・生活様式の改変をしなければ、大気を改善するのは非常に困難になる」と危機感を示しました。

 原因について、呉氏は、表面上では風が少ないなどの不利な気候条件があったとしながら、「深い要因は、工業化・都市化の過程で蓄積された環境問題の現れだ」と指摘。高排出、高汚染、エネルギーの消耗、自動車保有数の増加など汚染物質の排出が環境の容量を超え、多くの都市でスモッグが発生したと説明しました。

 今後の対策として、呉次官は、北京、上海、天津、広州など重点抑制区域で、火力発電や鉄鋼など6業種の大気汚染物質の排出量に特別の上限を設けて規制に乗り出す方針を表明。「わが国の汚染防止策として、史上最も厳しい措置となる」と強調しました。

 また、今年末までに、190都市950の観測地点を設け、大気観測ネットワークの運行を開始し、国民に大気の観測データを公表すると述べました。

 さらに、国外の汚染防止の成功例を積極的に吸収することや、公共交通を利用するなど環境に対する国民一人ひとりの意識改革などを呼びかけました。


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