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2013年3月14日(木)

衆院選挙制度

自民党案を軸に

比例削減先行の動き

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 自民・公明・民主の3党が昨年11月の「3党合意」にもとづき、比例定数削減の動きを強めています。

 自民党は14日にも党選挙制度改革問題統括本部(本部長・細田博之幹事長代行)の総会を開き、衆院比例定数削減など自民党案を示す予定です。検討のベースとなっているのは、細田氏が試案としてまとめたもので、衆院比例定数を30削減し、残る定数150のうち30議席を少数政党に優先配分する案です。小選挙区中心の現行制度の枠組みを残したまま、民意を反映する比例区のみを削減するものです。公明党や小政党の合意を引き出すために、優先枠を拡大する動きもあります。自公間で折衝を進めてきました。

 安倍晋三首相は12日の衆院予算委で、同党の石破茂幹事長が3日のテレビ番組で今月の半ばまでに与党案をまとめると発言したことについて「与党の発言としては極めて重い」と強調。統括本部関係者は「(14日の会合で)異論は出るだろうが、それでもまとめる。3月中に党内をまとめて、今国会で結果を出す」と語ります。

 衆院小選挙区の「1票の格差」について違憲判決が相次ぐなど民意の正確な反映が問われているとき、現行制度で唯一民意を正確に反映する比例代表部分を削減するのは言語道断です。4割の得票で8割の議席を得る小選挙区制のゆがみが明らかになるなか、それをただす抜本改革こそ必要です。

 自民、公明の側には、昨年11月に野田佳彦首相(民主党)と安倍自民党総裁(いずれも当時)が今年の通常国会中に議員定数削減を実現することで合意したという事情があります。両党内部からも、「定数削減をやり遂げないと参院選で『ウソつき』と攻撃される」などとして、定数削減を先行する声が出されています。

 他方、安倍自公政権との対決軸を示せない民主党も、「(定数削減は)唯一残った公約で錦の御旗」(政治改革推進本部関係者)として、「実行を迫り参院選でアピールする」などとけしかけており、自公民3党の党利党略が絡んでいます。

 自民党統括本部関係議員は「『1票の格差』是正については区割り見直し案が出てくればすぐに成立させるが、定数削減も今国会中にやる。(定数削減を)中選挙区制など制度の抜本改革とセットでは時間的に間に合わない」と述べます。

 公明党議員からも、「小選挙区・比例代表併用制や連用制が望ましいが実現可能性は低い」としつつ、「細田案で仕方ない」という声がもれてきます。消費税増税実施もにらんでの発言です。

 ただ、伊吹文明衆院議長が細田案に対し「憲法違反だ」と発言。自民党内にも「正式の自民党案ではない」と強い批判の声もあります。2011年秋以来の各党協議の経過に反することから矛盾や反発が広がることは必至で、予断を許しません。


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