2013年3月11日(月)
“多喜二の言葉 魂の震え”
没後80年で集い
米倉さんが講演
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作家・小林多喜二没後80年を記念して、「多喜二の文学を語る集い」(日本民主主義文学会、多喜二・百合子研究会主催)が10日、東京都豊島区のみらい座いけぶくろで開催され、参加者は500人を超えました。
日本民主主義文学会・稲沢潤子会長が開会あいさつ。青年トーク「現代に生きる多喜二」では、作家の秋元いずみさん、日本民主青年同盟東京都委員長の岩崎明日香さん、首都圏青年ユニオン事務局次長の神部紅さんが、「3・11後、社会のために働きたいという青年が増えているなかで、自己変革と仕事と社会進歩を統一した多喜二の文学は若い世代に勇気を与える」と語り合いました。
多喜二の「一九二八年三月十五日」を俳優の上野日呂登さんが朗読。役者で演出家の米倉斉加年さんは、講演「わたしにとっての小林多喜二」で、「小林多喜二 早春の賦」を演出して全国各地で公演した体験を紹介し、「多喜二の言葉には人間の奥深い魂があり、今もその魂の震えが伝わってくる」「真の文化の中核にいた多喜二を考え続けることは大切なことだ」と語りました。
佐藤真子さんによる多喜二ゆかりの曲のピアノ弾き語りの後、三重大学教授の尾西康充さんが「太陽は総てのものを平等に照らす―小林多喜二の文学」と題して講演。多喜二は、人間が個性を生かしながら連帯することの大切さを伝えたと強調しました。
参加した東京都の大学生(22)は、「多喜二が描いた労働者のたたかう姿から、団結する力を学んでいきたい」と話していました。