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2013年3月11日(月)

きょうの潮流

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 広報で 警報を 呼びかけていた 女性の声が 途切れる/やめて やめて 津波に 叫びながら 逃げる/町は 消えていた あまりに非情で 声が出ない 涙も出ない▼大津波に町がのみ込まれ、最後まで避難を呼びかけた役場の女性職員ら多数の犠牲者がでた宮城県南三陸町。避難所だったスポーツ施設には、被災した町民の女性が震災直後の様子や心境を綴(つづ)った「五行歌」の連作が、今も掲げられていました▼2011年3月11日午後2時46分、幾多のささやかな「普通の生活」を一瞬にして暗転させた東日本大震災。1万8000人余の死者・行方不明者を出した未曽有の大災害は、2年の時を経ても復興・生活再建が遅々としてすすんでいません▼本紙が半年ごとに実施してきた「被災地300人実態調査」でも、住まい、雇用、生業(なりわい)とどれをとっても好転の兆しは見えません。半年前には「心も体も限界」と訴える仮設住人が多かったのですが、今回は「限界を超えている」とさらに悲痛な叫びが▼なぜ好転しないのか。被災した岩手県陸前高田市の戸羽太市長は「一番の問題は被災者に寄りそう(国の)政治がやられてないこと」だと批判しています。的を射た言葉です▼被災者は懸命に立ち上がろうとしています。南三陸町でも特産のカキやワカメの養殖が再開され、収穫の時期を迎えています。商店街のあった荒地には、こんな看板が立っています。「ここに生き来た幸せ ここで生きていく喜び」。この思いに心を寄せて共に歩みたい。


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