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2013年2月23日(土)

きょうの潮流

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 ある電機大手の役員が嘆いていました。「早期退職希望者を募ると、辞めてほしくない人が真っ先に手をあげてしまう」▼優秀な人材は他の職場でもやっていける自信がある。何より、人減らしに手をつけた会社の将来に見切りをつける。人材の流出に、その役員は頭を悩ませていました▼日本の優秀な技術者がリストラによって、海外企業に移り、日本の強力なライバルとなる。テレビドラマにもなった事態が進行。米国松下電器(現パナソニック)の社長を務めた岩谷英昭氏は著書で、リストラによって「一時的に財務的な数字は改善」しても、代償として「貴重な技術や知識を失う」と警告します▼日本の電機大手は「IT(情報技術)バブル」崩壊後も、「リーマン・ショック」後も、人減らしで「V字型回復」を図ろうとしました。しかし、人件費削減競争は国内需要を冷え込ませ、国際競争力の低下を招きました。こんどもまた13万人のリストラで危機を乗り切ろうとする。悪循環です▼「経営者よ、クビ切りするなら切腹せよ」(『文芸春秋』1999年10月号)といった経営者がいました。当時のトヨタ自動車会長、奥田碩氏(日経連会長)です。「失業と消費停滞の悪循環」に陥ると指摘。「不景気だからといって、簡単に解雇に踏み切る企業は、働く人の信頼をなくすに違いない。そして(略)競争力を失うことになる」▼トヨタなど大企業の実際の対応はどうだったのでしょう。わかっているけどやめられない、ではすみません。


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