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2013年2月22日(金)

主張

原発と活断層

国民の安全に勝るものなし

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 東京電力福島第1原発事故を機に原発敷地内の活断層を調査している原子力規制委員会が、福井県の日本原電敦賀(つるが)原発に続き青森県の東北電力東通(ひがしどおり)原発についても活断層の存在を指摘する専門家の報告書案をまとめました。現在の政府の基準でも原発の重要施設は活断層の上につくることはできず、これらの原発の再稼働が認められないのは当然です。ところが原電や東北電など電力会社は猛反発し、一部のマスメディアは「活断層狩り」だなどと規制委を攻撃しています。再稼働のためには国民の安全がどうなってもいいというのは絶対に許されない態度です。

活断層の危険は明白

 活断層は地震を引き起こす可能性がある断層(破砕帯)で、東日本大震災などの際それまで活断層とは知られていなかった断層が動いたことから、原発敷地内での調査や活断層の定義の見直しなどが進んでいます。もし原発敷地内で活断層が動き地震が発生すれば、原発の建屋や配管などの施設が重大な被害を受け、国民の安全に関わる事故を引き起こすのは明らかだからです。

 原子力規制委員会が設置した有識者会合は、敦賀原発について原発施設の下を走る断層が活断層の可能性があると認めたのに続き、東通原発でも敷地内の断層が活断層の「可能性が高い」との報告をまとめました。さらに原発の建屋の下の断層についても活断層かどうかの調査が必要としました。調査は石川県の北陸電力志賀(しか)原発などでも行われる予定です。

 敷地内の断層が活断層である疑いが明らかになっただけでも、原発の再稼働や運転が認められるべきでないのは当然です。電力会社などが結論を受け入れようとせず、「活断層ではない」証拠を集めるなどと息巻き、規制委や専門家を「偏っている」などと攻撃するのは、まさに国民の安全を守る立場がないとしかいいようがありません。規制委が選んだ専門家は、活断層学会など関連の学会が推薦した人物です。それを「偏っている」などと攻撃し、電力業界の“お気に入り”の学者に検証させろなどというのは、それこそ“偏った”結論に導くための非難です。

 原発はもともと未完成な技術であり、大きな地震や津波が起きなくても重大なトラブルや事故を起こす可能性があります。福島原発事故を踏まえれば、「即時原発ゼロ」の決断こそ求められるのに、地震を引き起こす活断層が存在する可能性にさえ目をつむって原発の運転を続けようというのは、安全無視のきわみです。なにがなんでも原発を再稼働し運転を続けようというのは、国民の安全より電力会社などのもうけを優先する、文字通り“原子力ムラ”の利益しか眼中にない態度です。

国民の声に応えさせる

 電力業界などが原発の再稼働や運転に固執する背景に、民主党政権が国民的議論で「過半」の国民が望んでいるとした「原発ゼロ」の方針を「ゼロベースで見直す」とし、再稼働や新増設を否定しない安倍晋三政権の姿勢があります。

 どんなに政権が変わっても、国民的議論の結論をやすやすと変えていいはずはありません。「即時原発ゼロ」「再稼働許さぬ」のたたかいを強め、安倍政権や電力業界に「原発ゼロ」の声に応えさせることが、いよいよ重要です。


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