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2013年2月18日(月)

憲法改定へ国内議論

人権規定を拡充へ

ベトナム

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“自由で平等な競争を保証”

 【ハノイ=面川誠】ベトナム憲法(1992年制定)改定案が1月2日に公表された後、3月31日まで国民の意見を募っており、国内で議論が続いています。改定案は国会憲法改定起草委員会の草案を基に、昨年10〜11月の国会審議をへて承認されたもの。委員会の報告書は「政治、経済において同時並行のドイモイ(刷新)を保証するため」に憲法を改定するとしています。


政治・経済でドイモイ推進

 報告書は、現行憲法が1986年に始まった「ドイモイ実践の政治的、法的基盤をつくった」とした上で、2011年のベトナム共産党第11回大会が打ち出した「民が豊かで強く、民主的、公平、文明的な国である社会主義ベトナムを建設する」ために憲法改定が必要だとしています。

 改定案はベトナムを「人民の人民による人民のための社会主義法治国家」と規定。政治体制ではベトナム共産党を「指導勢力」とすることを維持しました。

「主導的」削除

 経済体制は「社会主義志向の市場経済」とし、「国家経済が主導的役割を果たす」との文言を削除しました。

 これまで「公民の権利と義務」と題されていた章は「公民の人権、基本的権利、義務」と改められ、生存権、プライバシー権を追加するなど大幅に拡充されています。

 立法、司法、行政の活動で憲法違反がないかを審査するために、国会議長、副議長、議員で構成する「憲法評議会」を新設します。

 国民の意見集約を踏まえた上で、2014年秋の国会で新憲法が採決される予定です。

 国会憲法改定起草委員会のレ・ミン・トン副委員長は「政治体制、経済、人権など、すべての面でベトナムにおける社会主義の展望を堅持する」と言います。

展望の具体例

 「国家経済の主導的役割」を削除したことについては、「改定案は個々の経済セクターを特定していない。あらゆる経済セクター間の自由で平等な競争という原則を保証する社会主義志向の市場経済を建設する」と強調。「経済運営において、国家が規制する役割を果たす経済を建設する」と述べました。

 人権の記述拡充で、「これまで以上に人権を擁護し、公民の権利と義務をいっそう保障、発展させる」として、これは社会主義を目指す展望の具体例の一つだと述べました。

 改定案は「すべての人民は法の下に平等である。いかなる者も政治、経済、文化、社会生活で差別を受けない」と明記しています。人権は「国防、国家安全保障、社会秩序と治安、社会道徳、健全性を理由に、必要な場合のみ制限される」との規定を設けました。

 ベトナム法律家協会のファム・クオック・アイン会長は、「民主的権利が重視されている」と指摘。「すべての問題について人民の意見に耳を傾けることが大事だ」と強調します。

 トン副委員長は「社会主義理論は開かれており変わり得る。すべての国に共通のモデルはない。マルクス・レーニン主義の根本とホーチミン思想から導き出し、世界各国の経験から学ぶ。社会主義志向といっても中国とも違う。成功だけがあるわけではなく、失敗だけがあるのでもない」と言います。


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