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2013年2月18日(月)

きょうの潮流

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 映画「八月の鯨」。潮風香る美しい島を舞台に、二大女優演じる老姉妹の人生を味わい深く描いた傑作です。岩波ホールで16日から再上映されています▼インドの巨匠サタジット・レイ監督「大(たい)樹(じゅ)のうた」を皮切りに、世界中の名画を紹介してきた同ホール。大手の映画会社から独立し、自分たちで選んだ作品を上映するミニシアター文化の先がけでした。そこの総支配人として情熱をそそいできた高野悦子さんが創立45周年の節目に亡くなりました▼埋もれた名画を世に紹介する「エキプ・ド・シネマ(映画の仲間)」。高野さんはみずからの運動を仏語でそう名付けました。映画を愛し、作品を育てる仲間が日本中に満ちあふれてほしい。願いは多くの胸にとどきました▼宮城まり子監督「ねむの木の詩(うた)」、アンジェイ・ワイダ監督「大理石の男」、ベルイマン監督「秋のソナタ」、羽田澄子監督「早(はや)池(ち)峰(ね)の賦」…。どれほどの名作と、ここで出会うことができたか▼エキプ運動には四つの目標がありました。第三世界の名作や大手がとりあげない欧米作品の上映、名作の完全版の紹介、日本映画の名作を世に出す手伝い。作品を育て、つくり手を育て、観客を育てる―。これが運動の原点でした▼上映作品を選ぶときの高野さんの視点は明快でした。「どんなにストーリー的によくできていても、暴力や戦争を肯定する作品は上映しない」。反戦と護憲。そして女性や子ども、老人にやさしい目をむけ、人間の尊厳を映しつづけてきた83年でした。


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