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2013年2月17日(日)

欧州 緊縮政策で深刻化

子の貧困・若者の失業

「失われた世代つくる」 救援団体が警告

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 カトリック系の国際救援団体カリタス・ヨーロッパは、このほど発表した報告書で、欧州諸国政府が財政危機の打開を口実に緊縮政策を進める中で、子どもの貧困と若者の失業が深刻化し、「失われた世代」をつくりだす危険があると警告しました。(夏目雅至)


 報告書は14日に発表。それによると、欧州連合(EU、加盟27カ国)諸国の失業者は2570万人(2012年9月)で、労働総人口の10・6%。11年比で210万人の増加です。12年の長期失業者は1070万人に達し、08年比で倍となりました。EU諸国の失業者の5人に2人が1年以上にわたって失業していることになり、報告書はこの傾向は今後も続くとしています。

 EU全体の25歳未満の失業者は550万人、率で22・5%(12年9月)です。特にギリシャでは青年失業率が60%を超えたほか、スペインで50%、ポルトガルで40%に達しています。第3国からの移民の雇用状況も悪化しており、失業率はEU市民の倍の22・1%に達しました(12年第1四半期)。

 EU27カ国の働く貧困層の割合(11年)は平均で8・7%となり、全域で微増傾向にあるとされます。

 報告書は、社会福祉、失業給付の削減、付加価値税(日本の消費税)の税率引き上げ、燃料費の高騰の影響で、特に子どもの貧困化が進んでいると指摘しています。

 スペイン、ギリシャで「貧困や社会的排除」の危険にさらされている18歳未満の子どもの割合(11年)は約30%に上り、05年比で4ポイント増加しています。中学校以下の教育しか受けていない人の比率も、10年の16・3%から11年の18・1%へ増えました。

 カリタス関係者はロイター通信に対し、「子どもたちが他の世代よりも、より貧困の危険にさらされていることは規定の事実になっている」と強調しました。

 報告書は、緊縮政策の影響で「失われた世代が数世代にわたる」危険があると強調。緊縮政策は役に立たないとして「他の政策が採用されるべきである」と指摘し、子どもの貧困や青年の高失業率の解決に焦点を当てるよう呼び掛けています。


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