「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2013年2月11日(月)

全米労働関係委 機能停止状態に

政権の委員任命 裁判所が「無効」

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 【ワシントン=山崎伸治】米国で労働問題の解決にあたる独立政府機関「全米労働関係委員会」(NLRB)が、委員の定数割れから機能停止状態となっています。オバマ大統領による委員補充を連邦控訴裁判所がこのほど無効と判断。最高裁に持ち込まれる事態となり混迷が続きます。

 任期5年のNLRB委員は大統領が指名し、上院が承認。2007年12月に3人が任期切れになりましたが補充ができず、労働関係法の臨時措置で2人のままとなりました。しかし連邦最高裁は10年6月、NLRBの委員は最低3人必要だとし、委員が2人の間に行った決定をすべて無効にしました。

 一方、09年1月に就任したオバマ大統領は同年4月、3人の委員を指名。ところが上院は与党・民主党が多数ですが、野党・共和党が審議の引き延ばしを図り、承認を拒否することが可能です。

 そこでオバマ氏は憲法で大統領に与えられている「上院の閉会中に生じたすべての欠員を任命により補充する権限」を使って上院での承認を回避。10年2月以来、順次委員を任命していきました。

 ところが12年1月に再度3人の委員を同じ方法で任命したことに共和党が反発。これが連邦裁判所に持ち込まれ、1月25日、ワシントンの控訴審で無効とされました。

 これによりNLRBは再び機能停止。最高裁で覆すか、労働組合の活動に敵対的な共和党が同意できるような人物を委員として補充するほかありません。

 控訴審判決について、米国のナショナルセンター、米労働総同盟産別会議(AFL・CIO)のトラムカ議長は「まさにけしからぬ判決だ」と非難し、覆すべきだと表明。米紙ニューヨーク・タイムズも社説で「見当違いの判決」「反労働組合的だ」と指摘しています。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって