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2013年2月8日(金)

野党指導者暗殺受け 選挙管理内閣設置へ

チュニジア首相表明

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 【カイロ=小泉大介】チュニジアのジェバリ暫定首相は6日夜、テレビ演説を行い、現暫定内閣に代わる実務型新内閣を設置するとともに、今年6月予定の大統領・国会議員選挙を前倒し実施する意向を表明しました。同日、野党指導者が暗殺され、政府に対する全国的な抗議行動が発生したことを受けてのもので、「革命」から2年が経過したチュニジアは新たな局面を迎えました。


 ジェバリ首相は6日の演説で新内閣について、「いかなる政党にも属さない者からなる」としたうえで、その任務について「できるだけ速やかに選挙を実施することに限定されることになるだろう」との考えを示しました。

 6日午前には、野党「民主愛国党」指導者のショクリ・べライド氏が首都チュニスの自宅付近で何者かに射殺されました。同氏はイスラム主義政党アンナハダが主導する暫定政府に対する激しい批判者として知られ、暗殺の直前には地元テレビで「アンナハダに反対するすべての勢力が暴力の対象となっている」と発言していました。

 チュニジアでは2011年10月の制憲議会選挙を経て、同年末に暫定政府が発足しました。しかし、経済の悪化や一部過激イスラム主義者による暴力行為の横行に野党勢力や世俗・リベラル派の国民の批判が高まり、内閣改造を求める世論が広がっていました。

 野党側はベライド氏暗殺について「内相は脅迫を知っていたのに何も手を打たなかった」などと批判し、制憲議会からの撤退やゼネスト実施で対抗する意思を表明。さらに多数の国民がチュニスの内務省付近をはじめ全国各地で抗議のデモを繰り広げ、一部は警官隊と衝突しました。

 抗議を受けてアンナハダは、暗殺を「卑劣な犯罪だ」(ガンヌーシ党首)と非難するとともに、野党側の要求をある程度受け入れざるを得なくなりました。

 今回、ジェバリ首相は選挙前倒しを表明しましたが、それには制憲議会で現在も起草作業が続いている新憲法の制定が必要です。イスラム教と政治との関係や市民的政治的自由などをめぐるイスラム主義勢力と世俗・リベラル派の対立が早期に解消されるか、予断を許さぬ状況がつづくことになります。


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