2013年1月27日(日)
欧州・中南米の国会議員会議
フォークランド問題 平和解決へ交渉促す
投機資本への批判も
欧州・中南米両地域の国会議員でつくる「欧州・中南米議員会議」(EUROLAT)は24、25の両日、南米チリの首都サンティアゴで会合を開き、アルゼンチンと英国が領有権を争うフォークランド諸島(スペイン語名マルビナス諸島)の問題について、対話による平和解決を呼び掛ける文書を採択しました。(島田峰隆)
アルゼンチン国営通信によると、文書は「国連総会決議2065を含む国連諸決議の枠組みの中で、平和的、公正で、永続する解決のための対話を促す」と述べています。1965年に採択された決議2065は同諸島の領有権問題について平和的な解決策を探る交渉をアルゼンチンと英国に促したものです。
文書は26日から同地で始まる中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)と欧州連合(EU)の首脳会議に「メッセージ」として提出されます。
議論ではこのほか、経済のかく乱要因となっている投機資本への批判や、欧州諸国の経済停滞への懸念も出されたといいます。24日にはEUのアシュトン外交安全保障上級代表(外相)も出席し、中南米の経済成長に触れて「(両地域の関係は)開発援助といったものを超えた平等な関係だ」と述べました。
EUROLATは両地域の関係強化策の一環として2006年に発足。欧州諸国と中南米カリブ海諸国からそれぞれ75人ずつ国会議員が参加しています。
CELACとEUの首脳会議と並行して開かれる「人民サミット」が25日、サンティアゴで始まり、参加者が市内をデモ行進しました。
報道によると、同サミットには両地域の労働組合や非政府組織(NGO)など500以上の団体が参加。「社会正義、国際連帯、諸国民の主権」をテーマに環境保護、人権の拡充、先住民の保護などについて議論します。