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2013年1月27日(日)

安倍内閣発足から1カ月

内政・外交両面に矛盾

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 第2次安倍内閣が発足し26日で1カ月となりました。緊急経済対策に、「2%物価上昇目標」へ向けた政府・日銀の共同声明の発表(22日)と、矢継ぎ早に動き“順風満帆”にみえますが、その裏では内外の矛盾を引き起こしつつあります。

●失敗済み政策

 「最大の課題」と位置づける経済対策では、大胆な金融緩和、財政出動、成長戦略の「三本の矢」でデフレ打開をと繰り返しますが、いずれもこれまでの政権で失敗済みの「折れた矢」ばかり。景気低迷の根本原因である国民所得の落ち込みにはまったく無策です。

 21日に発表した経営政策労働委員会報告で「ベースアップを実施する余地はない」とし人件費抑制姿勢を明示した経団連には賃上げを働きかけることさえしていません。応援団のマスメディアからも「物価だけが目標に向かって先行して上昇し、給料などが増えなければ、暮らしへの影響は深刻だ」(「読売」23日付)との指摘も出ています。安倍内閣がすすめる生活保護の切り下げや地方公務員の給与削減の強行推進は、デフレを深刻化させる政策で真っ向から矛盾しています。

 安倍内閣になって「円安」と株価上昇が続いていると言われますが、永田町でも「貿易赤字が基調になっているだけ」など、冷ややかな見方も。国際通貨基金(IMF)や米自動車業界などから、人為的な通貨切り下げへの「批判」も相次ぎ、矛盾を深めています。

 自公民の社会保障削減協議も開始されましたが、麻生太郎副総理が、高齢者の終末期医療について「さっさと死ねるようにしてもらいたい」と暴言。医療費抑制路線の行き着く本音を示すものとして大きな怒りを買っています。首相官邸周辺では「アルジェリア人質事件よりも安倍政権が震撼(しんかん)した」とささやかれます。

●つまずく訪米

 「日米同盟の再構築」を強調して、総選挙中から1月訪米計画を打ち出した安倍首相ですが、当初の計画はオバマ政権から断られるなど、最初からつまずいています。

 岸田文雄外相が訪米して、ようやく2月第3週の首脳会談をセットしましたが、米側からは、沖縄・辺野古新基地建設と環太平洋連携協定(TPP)交渉への早期参加を迫られました。

 しかし、沖縄では島ぐるみで「県内移設」に反対し、米軍の欠陥機オスプレイ配備反対でも41首長全員が国会開会前日の27日に上京し、翌日、安倍首相にも“直訴”する計画です。

 TPP問題では、自民党内の「TPP参加の即時撤回を求める会」が23日に会合を開催。「交渉に参加してまずければ離脱すればいいという話もあるが、日本に選択の余地はない」と反対論が相次ぎました。安倍首相は、2月訪米時の交渉参加表明を断念したとされる一方、同党の外交・経済連携調査会では首相訪米前に交渉参加について見解を打ち出すとしており、対立の深まりに党内から懸念が示されています。

●歴史観に批判

 さらに、国際社会との関係では、憲法改定や歴史問題で安倍内閣への批判が広がっています。英誌『エコノミスト』(1月5日号)は、「恐るべき右翼政権」の登場を警戒し「戦時中の残虐行為のほとんどを否定している」と批判。ロサンゼルス・タイムズ紙(1月11日付)は、「自民党は権威主義的で軍事化された日本の基盤を提案している」と警告するなど、厳しい見方が相次いでいます。

 侵略戦争正当化の流れは国際的孤立しかもたらしません。


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