2013年1月19日(土)
生活保護
不当な削減許さない
厚労省前 利用者ら改悪反対訴え
厚生労働省の社会保障審議会生活保護基準部会が生活保護基準の見直しに向けた報告書を取りまとめるのに先立ち、生活保護の利用者や支援者らは18日、同省前で「生活保護を守れ!」「貧困の連鎖を止めろ!」と声をあげました。
自立生活サポートセンター・もやいの稲葉剛代表理事は「生活保護基準が引き下げられると、社会保障全体が連動して引き下がる」と指摘。「国は貧困とたたかうべきなのに、その責務を放棄するのか」と批判しました。
結核患者の朝日茂さんが生活保護の引き上げを求めてたたかった朝日訴訟を承継した朝日健二さん(77)は「朝日訴訟以来、生活保護は引き上げられてきて、これまで、引き下げられることがなかった。これはたたかいの成果で財産。引き下げは断固許さない」と強調しました。
精神疾患で仕事を辞め、千葉県内で生活保護を利用している女性(33)は「生活保護で命をつなぎ、就労についても前向きに考えられるようになった」と自身の体験を話しました。
生存権裁判を支援する全国連絡会の前田美津江事務局長は「“自助、自立”の強調は、社会保障を権利として認めていないもの。生活保護の不当な削減を許さないために、声をあげてはね返していこう」と呼びかけました。