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2013年1月17日(木)

B787当面運航中止 全日空 日航

最新鋭機、トラブル続出

「操縦室から煙」 緊急着陸

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 16日午前8時25分ごろ、山口宇部発羽田行きの全日空692便のボーイング787型機(乗客乗員137人)から「コックピット(操縦室)から煙が出た」と連絡があり、高松空港に同47分、緊急着陸し、緊急脱出装置で全員が機外に避難しました。乗客のうち68歳の男性が腰を打撲したほか、2人が擦り傷を負いました。米ボーイング社の最新鋭機787をめぐってトラブルが相次いでおり、同日、全日空も日本航空も17日以降の計39便の欠航を決めました。一歩間違えば大惨事につながりかねない事態だっただけに、機体を軽量化し、燃費を大幅に改善したという「省エネ」をうたう一方、開発の過程でさまざまな問題が指摘された旅客機の導入を航空会社まかせにしていた日本政府の責任も問われます。


写真

(写真)緊急着陸した全日空ボーイング787型機から避難する乗客ら=16日午前、高松空港(乗客提供)

高松空港 全員機外に脱出

 国交省や全日空によると、同機は、高松空港付近を飛行中に「前方電気室から煙が出た」と表示されたため、パイロットが機体のチェックを行うと、発電機に故障があった際にバックアップなどで使われる「メーンバッテリー」関係の異常が多数表示されました。

 機体前方の電気室にあるバッテリーが黒く変色した上、中の溶液が漏れ出して壊れていたことが全日空への取材で分かりました。

 787型機には、バッテリーが前方と後方の電気室に一つずつ設置されています。いずれも電池メーカー「ジーエス・ユアサコーポレーション」(京都市)の同じ製品で、リチウムイオン電池を使用。ローガン国際空港で8日未明(日本時間)に起きた日航機のぼやは、後方電気室にある補助動力装置用バッテリーから発火しており、米運輸安全委員会(NTSB)が調査しています。


 ボーイング787型機 米ボーイング社が開発した最新鋭中型旅客機。炭素繊維素材による軽量化で燃費と航続距離を向上。全部品の35%が日本製です。納入ずみの約50機中、全日空が17機、日航が7機を保有。同機で世界初の営業運航を行った全日空は、これまでにボ社に計66機を発注。日航は45機を発注する計画です。「優位性を活(い)かした路線投入戦略を推し進め、競争力を確保」(12―13年度経営戦略)とする全日空は、16路線で同機を運航。両社とも同機導入を契機に新規路線を開設し、経営の柱にしています。

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