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2013年1月13日(日)

きょうの潮流

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 たまには中古レコード店にも、寄ってみるものです。600円の珍盤をみつけました▼「自由を求めて」。アメリカ黒人解放運動の指導者だった、キング牧師の演説や説教の記録です。有名な1963年・ワシントン大行進での、「私は夢を持っている」演説。死の前日、68年4月3日の最後の説教…▼ジャズ専門店の棚にありました。紛れ込んだのかと思いましたが、聞いてみてうなずけました。声高らか抑揚ゆたかに詩を読むような語りは、まるで音楽のように響きます▼近く、ワシントンのキング師の記念碑に刻まれた彼の言葉の一つが削られるそうです。「私は正義と平和と公正さの楽隊長だった」。実は、彼は次のように語っていました。「もしみなさんが、私のことを楽隊長だったといいたければ、正義のための、平和のための、公正さのための、楽隊長だったといってほしい」▼“碑文は「もし」を省いてうぬぼれた印象を与える”と、批判されたのです。たしかに、押しつけ調の碑文より控えめな元の言葉の方の訴えかける力が、はるかに強い。「もし」を省けば、話の趣旨とも違ってきます▼68年2月、ジョージア州での講演です。師は「死」について語り、自分の葬儀で人々にいってもらいたい言葉を残したのですから。そして2カ月後、暗殺。講演は、時を超えて人の胸をうちます。「もし通りすがりに誰かを助けられたら、もし誰かを一つの言葉、あるいは歌で励ませたとしたら、…私の人生は無駄ではなかったでしょう」


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