「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2013年1月8日(火)

シリア大統領演説 辞任言及せず

反体制派掃討は継続

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 【カイロ=小泉大介】泥沼状態のシリア内戦をめぐり、アサド大統領は6日に国民向け演説を行い「政治解決策」を示しました。しかし、反政府武装勢力を「テロリスト」と改めて規定し、自身の辞任にも言及しない演説には内外で反発の声が相次いでおり、事態打開の道は依然として険しいままとなっています。

 アサド大統領が演説を行ったのは首都ダマスカス中心部の講堂で、国営テレビが中継しました。公の場での演説は昨年6月以来です。

 大統領は「われわれはいま、国家と敵との間の戦争状態の中にいる」と表明。敵である「テロリスト」「殺人集団」から国家を守るため「総動員態勢」の構築が必要だとし、あくまで反政府武装勢力を掃討する意思を明確にしました。

 その上で、(1)周辺国が「テロリスト」への武器供与や財政支援を止める(2)国民和解会議の開催など対話を実施し、新たな憲法を制定する(3)新憲法にもとづく政府を樹立し総選挙を実施する―を柱とする「政治解決策」を提案しました。

 ただ、「われわれは西側諸国の操り人形とは対話しない」とも強調。欧米やアラブ諸国などが参加する「シリアの友人」会合が「シリアの唯一の正当な代表」と認めた反政府統一組織「シリア国民連合」の排除を示唆しました。

 アサド大統領提案について「国民連合」幹部からは「大統領辞任を含まないもので欺瞞(ぎまん)だ」「自らが独裁者であることを証明したにすぎない」などの厳しい反発の声が上がりました。

 また欧州連合(EU)のアシュトン外交安全保障上級代表は「提案が新たなものを含むか精査する必要はあるが、アサド氏退陣を求める立場に変わりはない」と声明。トルコのダウトオール外相も会見で「大統領演説は国民の胸にまったく響かない空約束だ」と述べるなど、国際社会からも否定的な見方が出ています。

 シリアは一昨年3月に開始された政府軍の住民弾圧をきっかけに内戦状態に陥り、国連の発表でこれまでに6万人超が死亡、国内外の避難民が300万人に達するなど、事態は日々深刻化しています。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって