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2013年1月4日(金)

女性への暴力 議論活発化

男性中心の文化 背景に

インド 抗議続く

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 インドでは、首都で23歳の女子学生が走行中のバスの中で暴行され、殺された事件を受け、女性への暴力が大きな社会問題となっています。事件を防げなかった当局への怒りとともに、根絶に向けた議論が活発化しています。(ニューデリー=安川崇 写真も)


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(写真)暴行事件について議論を交わす抗議集会の参加者=1日、ニューデリー

 女子学生の死亡から3日たった1日も、首都中心部の公園わきの路上では自然発生的な抗議活動が続いていました。議論の声やスローガン、歌が重なって聞こえてきます。

役割果たさず

 市内の大学院生アルナ・ラオさん(23)は「安全に暮らすことは私たちの権利。夜に外を歩くのも権利。それを守るのが政府や警察の役割だが、彼らは果たそうとしない」と憤りを隠しません。

 同様の事件は後を絶ちません。12月30日夜には、東部コルカタの路上で夫と帰宅中だった40歳代の女性が性的暴行を受け、撲殺。28日には北部パンジャブ州で、被害者の10代女性が自殺していたことが明らかになりました。

死刑は解決か

 事件への怒りから、厳罰化を求める声が出ています。デモや集会の現場では「犯人を絞首刑に」との主張がよく聞かれます。

 一方、27日に約20の女性団体が主催した抗議集会が掲げたスローガンは「レイプに死刑を適用しても解決にならない」。犯人が検挙を恐れ、被害者を殺害するケースが増えると警告しました。

 全国インド女性連盟(NFIW)のアニ・ラジャ議長は「現行法は不十分だが、警察はそれすらまともに適用せず、通報された多くの暴行事件が立件されていない。そのほうが問題だ」と語ります。

暴力を正当化

 より広い社会的背景を指摘する声もあります。

 27日付の主要紙ヒンズーは「危険はわれわれの内にある」との論評を掲載。男児を求めて女児を中絶する「選択的堕胎」が今も行われていることなどを挙げ、「女性への暴力を正当化する男性中心の文化が深く根付いている」と指摘しました。

 近年の経済発展も、こうした風潮を助長しているとの批判もあります。別の女性団体幹部のサハバ・ファルキ氏は「経済発展は商業主義を広めた。メディアで女性の肌の露出が増えるなど、女性を『モノ』として扱う空気はむしろ強まっている」と警告します。


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