「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年12月29日(土)

女性暴行に抗議

団体・学生 警官隊ともみ合いに

インド

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

写真

(写真)「女性に正義を」などのプラカードを掲げる抗議行動参加者=27日、ニューデリー(安川崇撮影)

 【ニューデリー=安川崇】インドの首都ニューデリーで、今月半ばに発生した性的暴行・傷害事件を機に、女性への暴力に抗議する運動が続いています。一部では警官隊が放水や警棒で鎮圧を図り、衝突で死者も出る事態に。一方、当該事件の被害者は依然重体と伝えられています。

 27日はデリー東部の駅前から出発した約600人が、観光スポット「デリー門」に向け行進。「今すぐ女性に正義を」と題した抗議行動にデリー内外の約20の女性団体や大学生らが参加しました。

 「22分ごとに女性が1人レイプされている」などのプラカードを掲げた参加者が約1キロ進んだところで、警官隊がバリケードで制止。短時間、もみ合いになりました。

 主催者は声明で犯人の処罰を求めたほか、全国で10万件の性的暴行事件が審理中のまま放置されているとして、刑事手続きを加速するよう当局に要求しています。

 今回の抗議行動のきっかけとなった事件は16日午後に発生。友人と映画を見に向かった23歳の女性が走行中のバスの中で男らに暴行されました。友人とともに鉄パイプで殴られた上でバスから投げ出され、現在も重体。26日夜、治療のためシンガポールに移送されました。

 警察はこれまでバス運転手を含む6人を逮捕。女性団体などは、事件を防げなかったとしてデリー警察幹部の更迭を求めています。

 2011年に全国で警察が立件した性的暴行は2万4206件で、統計を取り始めた1971年の2487件からほぼ10倍。インド東部コルカタに拠点を置くNGO(非政府組織)「スワヤム」は、05〜09年の犯罪率の増加が16%だったのに対し、性的暴行を含む「女性への暴力」の発生率は31%増加したと警告しています。

 参加者の一人、人権団体メンバーのカルプナ・ビスワナトさんは「立件されないレイプが統計の背後にどれだけあることか。この国には女性への暴力を容認する空気が依然、根強い」と話しました。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって