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2012年12月20日(木)

政府首脳に信任投票

汚職対策 党が陣頭指揮

ベトナム

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 10月から11月にかけて開かれたベトナム国会(第13期第4会期)は、政府首脳らに対する信任投票の導入を決定し、国会の権限を強化しました。反汚職対策では、政府に代わり共産党が陣頭指揮の前面に立つよう反汚職法を改正。政府に対する監視を強める仕組みづくりが進みました。(ハノイ=面川誠 写真も)


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(写真)国会開幕式で政府活動報告に立ったズン首相=10月22日、ハノイ

 グエン・タン・ズン首相に対する質疑が行われた10月22日。ズオン・チュン・クオック議員(非政党所属)が汚職対策や経済運営の不手際を取り上げ、国会史上初めて首相の辞任を要求。首相は辞任を拒否しましたが、テレビ中継されたやりとりは国民の注目を浴びました。

 クオック議員は「過ちを犯したら辞任するのが当然だ。ベトナムには“辞任の文化”がまだない」と言います。

 2010年に国営ベトナム造船産業グループ(ビナシン)が乱脈経営で経営危機に陥った際、一部議員が首相の信任投票を提案しましたが、「投票手続き規定がない」との理由で実現しませんでした。

首脳の解任可能に

 11月21日に議決された信任投票手続きによると、国家主席、首相、閣僚らに対する信任投票は毎年1回。議員は「高い信任」「信任」「低い信任」のうち一票を投じます。「低い信任」が3分の2を超えるか、2回連続で過半数なら解任されます。

 10年に信任投票を提案したグエン・ミン・トゥエット前議員は「信任投票は新たな前進」と評価。一方で、「議員の9割以上は共産党員だ。要職の任免は党政治局、中央委員会が決めて議員に通達する。国民の利益という観点から行動できるかどうかが議員に問われる」と指摘します。

 ホーチミン市で26日に開かれたチュオン・タン・サン国家主席と有権者の対話集会。有権者から「汚職のせいで党が信頼を失っている。役に立たない人物は、辞任を待つ必要もなく、その座から追い払うべきだ」という厳しい意見が出ました。

 サン主席は、議員が勇気を持って信任投票に臨んでほしいと述べ、「皆が国民の利益と関係なく地位にしがみつき始めたら、政治体制は深刻な危機に直面する」と危機感をあらわにしました。

「政治体制の危機」

 共産党以外の政党がないベトナムで国民が共産党への信頼を失えば、「政治体制の危機」に直結します。

 改正された反汚職法に基づき、反汚職中央指導委員長がズン首相からグエン・フー・チョン共産党書記長に交代します。

 クオック議員は党員ではありませんが、「現政府下でも汚職が頻発しているのだから、首相の指揮下に置くのは良くない」と法改正に賛成しました。「党の厳しい規律を本気で実践すれば、汚職に関与した政府幹部は党を除名され、法の裁きを受けることになる」と期待を寄せています。


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