2012年12月20日(木)
韓国大統領に朴氏当確
与党候補勝利 女性で史上初
【ソウル=面川誠】韓国大統領選挙の投開票が19日に行われ、与党・セヌリ党の朴槿恵(パククンヘ)候補の当選が確実となりました。韓国史上初めての女性大統領が誕生します。得票率は5割を超える勢いです。
野党・民主統合党の文在寅(ムンジェイン)候補は、李明博(イミョンバク)政権下で国民生活が悪化したことを批判して政権交代を訴えましたが及びませんでした。
選挙戦では両候補とも「経済民主化」を掲げ、非正規職の正規職化の促進、無料保育の実施など共通する公約が目立ちました。現地メディアは朴氏の勝因として、朴氏が女性票を多く獲得したことや、野党側が候補一本化の過程で混乱を繰り返したことなどを挙げています。
朴氏は1963〜79年まで在任した故・朴正煕(パクチョンヒ)元大統領の娘。独裁の一方で経済成長を実現した元大統領は、いまでも高齢層に強い人気があります。朴氏は98年の国会補欠選挙で当選し政界入りしました。
当選した朴氏は、公約した国民生活の向上、対話が断絶している北朝鮮との関係、竹島(韓国名=独島)領有権問題でこじれた日本との関係改善などの課題に取り組むことになります。
投票率(暫定値)は75・8%。前回2007年の63・03%を大きく上回り、有権者の高い関心が表れました。