2012年12月1日(土)
「国際社会は味方」
パレスチナ人が歓声
国家格上げ国連決議採択
【カイロ=小泉大介】イスラエル建国の根拠となった1947年の国連総会決議採択からちょうど65年を迎えた29日、同じ国連総会がパレスチナを「国家」と認めた瞬間、東エルサレムを含むヨルダン川西岸やガザの占領地では多くのパレスチナ人が歓声を上げ、喜びをかみしめました。
パレスチナ自治政府が拠点を置くヨルダン川西岸のラマラ。29日午前から中心地の広場に多数の住民が集まり、国連参加資格格上げ決議案採決時間の深夜になっても、数千人がパレスチナ旗を振りながら総会の様子を映す野外モニターに見入りました。
女性看護師のセレネ・バシャリアさん(23)は本紙の取材に対し、「国際社会が私たちの味方だとわかって勇気づけられました。私たちが望んでいるのは特別なことではありません。他の国の人々と同じように自分の国を持って、自由な生活を送る、ただそれだけです」といいます。
小学校の男性教師、アブ・アブドラさん(42)も、「あらためてパレスチナ人としての誇りを感じたし、子どもたちにもそれを感じてもらいたい。イスラエルは嫌がらせをしてくるかもしれませんが、パレスチナの団結した力で本当の国家樹立につなげていきたい」と抱負を語りました。
一方、パレスチナ分割を定めた国連総会決議181(1947年)を下に建国を果たしたイスラエルのネタニヤフ首相は30日未明、今回の決議について、「意味のないものであり、現実には何も変わらない」と全面否定する声明を出しました。