2012年12月1日(土)
きょうの潮流
歴史を戻せば、1936年の今ごろでした。日本はドイツと日独防共協定を結びました。中国への侵略戦争を始めた翌年、イタリアもそこに加わります▼当時、国際的に孤立していた日本。協定の名目は反ソ、反共でしたが、軍内には同じく国連から脱退した両国に接近しようとの意見が強くあったといいます。3国の関係は軍事同盟へと進み、世界を未曽有の大戦に巻き込みます▼その同盟国ドイツは、あのヒトラーが政権をにぎり、独裁者に忠誠を誓う軍隊はドイツ国防軍と呼ばれました。当時の兵役法には、「国防軍は武器を執って防衛するもの」とあります。ところが、ヒトラーの「国防軍」は他国を次々にふみにじっていきました▼話を今に返せば今度の総選挙です。自民党は憲法を改悪し、「国防軍を保持すること」を政権公約にかかげました。世界に向けた平和宣言でもある、戦争の放棄と軍隊を持たないことを定めた憲法9条。それを変えて、ふたたび血を流す軍隊をつくろうというのです▼恐ろしいのはこれが自民党だけの動きにとどまらないところです。民主党は、アメリカと一緒に戦争する「集団的自衛権」を使うことを検討しています。維新の会も自民党と同じ方向を向きます▼こんな勢力が台頭すれば、中国や韓国との関係はさらに悪くなり、平和を求める世界のなかで、また孤立しかねません。1世紀近くも戦争反対を貫いてきた日本共産党の平和への思いは筋金入りです。戦争はいやだ、の声を託せる唯一の政党です。