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2012年11月29日(木)

きょうの潮流

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 雨上がり。ぬれ落ち葉の散らばるアスファルト道に、ひんやりとした空気が立ちこめました▼冬の気配が募ると、4年前の年越し派遣村が思い出されます。東京・日比谷公園。派遣切りで仕事を失い、寮や社宅を追い出され、茨城や静岡から野宿しながら歩いてたどりついた人もいました▼支援の温かさ。死を考えていた多くの労働者が、もう一度生きてみようと決めました。名誉村長だった宇都宮けんじさんが振り返っています。「日本社会で失われかけていた『思いやり』『助け合い』『人々の連帯』がありました」▼宇都宮さんは学生時代、52歳の女性の手記にであいます。覚えたてのひらかなで、生い立ちをつづっていました。貧しい家の生まれ。子どものころに家事一切まかされ、12歳から炭鉱で働く。読み書きできないがための、つらい差別。結婚し7人の子を授かるが、ひもじい戦後に夫が家を捨て野草で食いつなぐ日々。「よししんでやれとおもい」…▼子どものために生き直し、人間の誇りを取り戻してゆく彼女。宇都宮さんは感動し、考えました。自分だけ立身出世して貧しさからぬけだして、それでいいのだろうか(『大丈夫、人生はやり直せる』)▼「貧困が広がる社会は、誰もが人間らしく安心してくらせる社会とはいえません」。持論です。貧困のない、すべての人々にとって生きやすい社会をめざして、提案し行動する人権弁護士・宇都宮さん。著書の題を借りると、この知事候補なら「大丈夫、東京はやり直せる」。


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