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2012年11月28日(水)

パレスチナ国連資格

ハマス、格上げ支持

ファタハとの和解機運高まる

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 【カイロ=小泉大介】イスラエルによる先のガザ攻撃と停戦を受け、パレスチナ武装抵抗組織ハマスと、パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハとの和解の機運が高まっています。ハマス最高幹部のメシャル氏は26日、パレスチナ自治政府のアッバス議長(ファタハ議長も兼任)に電話し、同議長の国連参加資格格上げ方針を支持すると表明しました。

 ハマスはこれまで公式には、イスラエルの存在を認めず、外交交渉も否定し武装闘争によるパレスチナ国家の樹立という路線を取ってきました。

 一方、アッバス議長が今月29日の国連総会で実現を目指すパレスチナのオブザーバー参加資格格上げ(「機構」から「国家」へ)は、イスラエルとの2国家共存路線に基づく外交努力の一環です。ハマスが今回、格上げを支持したことは、実質的に従来の立場を転換しつつあることを示しているといえます。

 ハマスの26日の声明によれば、メシャル氏はアッバス議長との電話会談で、「(イスラエルの攻撃に対する)ガザ住民の勝利に続き、(パレスチナ内部の)和解が達成されなければならない」とも表明しました。

 パレスチナは、2006年の評議会(国会に相当)選挙でハマスが躍進して以降、ファタハが中核の自治政府が統治するヨルダン川西岸とハマスが実効支配するガザとに「分裂」。昨年5月に和解が合意されましたが、「統一政府」樹立に向けた具体的な進展は見られないまま今日に至っていました。

 ファタハ幹部のナビル・シャース氏はイスラエルの空爆を受けたガザとハマスへの支援を伝えるため同地を23日に訪問した際、「双方の立場はいままでのどの時期よりも接近している」と表明。その言葉通り、ガザのハマス「政府」は同日、06年の衝突の際に収監したファタハのメンバー全員に恩赦を与える方針を示し、自治政府の側も25日、逆にハマス関係者を釈放すると発表しました。

 パレスチナのマーン通信によると、国連参加資格格上げの実現後、エジプトの首都カイロで和解具体化の協議が開始される見込みです。アッバス議長は25日の演説で、「国連から戻った後に実現すべきは和解であり、さらにその後は国家樹立だ」と述べていました。


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