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2012年11月27日(火)

関電 11・88%値上げ申請

家庭向け 高浜原発再稼働を想定

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 関西電力は26日、電気料金の値上げ認可を政府に申請しました。上げ幅は家庭用で平均11・88%、認可が不要な企業用は同19・23%。申請通りに認められれば、標準家庭の料金は月599円(8・8%)引き上げられます。いずれも2013年4月の実施を目指しています。関電にとって、料金原価の見直しを伴う本格的な値上げは第2次石油危機後の1980年以来33年ぶりとなります。

 経済産業省は29日に専門家による審査委員会を開き、料金原価の査定を開始する予定です。

 現在稼働中の大飯原発3、4号機(福井県おおい町)に加え、高浜原発3、4号機(同県高浜町)が13年7月に再稼働すると想定して算出しました。

 原発に依存してきたツケを利用者に回し、「即時原発ゼロ」の世論を無視するもので、とうてい許されるものではありません。

 関電は、原発停止に伴う火力発電用の燃料費負担が経営を圧迫し、13年3月期の連結純損益が過去最大となる2650億円の赤字となる見通し。値上げで業績悪化に歯止めをかけたい考えです。

 九州電力も火力発電の燃料費増加で業績が悪化しているため、27日に家庭用で8%台の引き上げを政府に申請する予定。北海道、東北、四国の電力3社も今後、値上げする可能性があります。

解説

再稼働を押し付け

現行の料金制度温存

 家庭用電気料金の平均11・88%値上げを申請した関西電力は、収支改善を理由に、高浜原子力発電所3、4号機を再稼働させようとしています。電気料金値上げだけでなく、「即時原発ゼロ」の世論に挑戦し、原発が持つ危険性まで国民に押し付ける傍若無人なやり方です。

 電気料金は、事業費をまるごと料金に上乗せする「総括原価方式」で決まります。現行の料金制度では、電力会社の利益が温存されます。過剰な設備投資や広告費などさまざまな“ムダ”を生み出してきたのが実態です。どれだけ費用がかかっても電力会社の利益は確保できるため、経費節減につながりません。実際、東京電力は同社の関連会社から、液化天然ガスを対米販売価格の9倍もの価格で買うなど、燃料費の抑制に努めてきませんでした。

 今回のように燃料使用量が増えたことを理由にした値上げ申請は、国の認可が必要です。しかし、燃料単価の上昇の場合、自動的に料金へ反映させる燃料費調整制度まであります。

 電力会社は、原発を動かせなくなり、代替電源の火力発電の燃料費が増えたとしています。これは、これまで原発に頼って、どんどん建設を進めてきたツケです。関電は、発電量に占める原発比率が5割(2010年)です。危険な原発に依存してきた経営陣の責任が問われます。

 総括原価の中身自体、電力会社はまともに公開せず、“ブラックボックス”です。情報開示を進めると同時に、原発や燃料など費用を全て消費者に押し付ける料金の仕組みを改めるべきです。(中川亮)


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