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2012年11月22日(木)

主張

「核武装」発言

「維新の会」の危険まざまざ

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 「太陽の党」と「日本維新の会」が合流し、「維新の会」の新しい代表に就任したばかりの石原慎太郎前東京都知事が20日東京都内で講演し、「日本は核兵器に関するシミュレーション(想定実験)ぐらいやったらいい」と、事実上核兵器保有を正当化したことが批判を呼んでいます。日本の「核武装」を肯定する発言は石原氏の持論ですが、ことは新党の代表としての公の場での発言です。しかもつい先日には「維新の会」代表代行の橋下徹大阪市長も広島で「非核三原則」の見直しを公言したばかりです。反動的逆流の突撃隊としての「維新の会」の危険は明らかです。

被爆国の政治は担えない

 石原氏の発言に対し、日本共産党の志位和夫委員長は同日直ちに、「きわめて重大です。このような政党に被爆国の政治に携わる資格はないとはっきり言いたい」ときびしく批判しました。石原氏は「個人の見解」としていますが、講演は「維新の会」代表としてのものであり、弁解の余地はまったくありません。

 日本は、アジア太平洋戦争の末期の1945年8月、広島と長崎に原爆が投下され一般の市民の殺傷を含む甚大な被害を受け、いまも多くの人びとが原爆症などの後遺症に苦しめられている被爆国です。非人道的な残虐兵器である核兵器の廃絶は国民的な願いであり、自ら核兵器を持たないのはもちろん、外国の軍隊による核兵器の配備や持ち込みを許さない「非核三原則」(持たず、つくらず、持ち込ませず)の厳守は、歴代政府でさえ“国是”といってきました。

 石原氏の発言は、日本が核兵器を保有した場合を想定してその影響などを調べるシミュレーションを行うよう求めたものですが、「これ(自体)がひとつの抑止力になる。持つ、持たないは先の話」「世界で核を保有していない国の発言力は圧倒的に弱い」などとも発言しており、核兵器の保有を正当化する狙いは明らかです。

 しかも石原氏はこれまでにも、核兵器の保有を含む強力な武装国家になることを求める発言を重ねており、「未臨界核実験」などの核実験や衛星など核兵器を運搬する手段を持つなどの発言をしたこともあります。シミュレーションはあくまでも第一歩で、核兵器そのものの保有が石原氏の念頭にあることは明白です。

 日本が核兵器を保有することになれば、被爆国として世界に核兵器の廃絶を求める大義を失うだけでなく、核兵器でアジアの国々を威嚇し、最悪の場合、核兵器が使用される危険も高めることになります。核保有を口にすること自体、世界とアジアの平和を破壊するものであり、石原氏の発言は世界に通用しない妄言です。

核廃絶を求め行動する党

 「維新の会」前代表で、合流後代表代行に就任した橋下氏の、日本に寄港する米艦船が核兵器を持っていないことはありえないことを口実にした「非核三原則」見直し発言(10日)も、核保有などに道を開くとんでもない発言です。米艦船に疑惑があれば寄港を拒否すべきで、それを口実に“国是”を見直せというのはアメリカにモノがいえない情けない態度です。

 こんな政党に被爆国の政治はまかせられません。核兵器の廃絶を主張し、国民とともに行動してきた日本共産党の出番です。


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