2012年11月20日(火)
両国関係 新たな一歩
オバマ米大統領 ミャンマー初訪問
138億円支援を表明
【プノンペン=面川誠】オバマ米大統領は19日、ミャンマーの最大都市ヤンゴンを訪問し、テイン・セイン大統領、最大野党・国民民主連盟(NLD)のアウン・サン・スー・チー議長と相次いで会談しました。米大統領のミャンマー訪問は初めて。オバマ氏は「両国関係の新たな章への新たな一歩」と述べました。
オバマ氏はテイン・セイン氏との会談で、民主化の進展に合わせて約1億7000万ドル(約138億円)の支援を行う意向を伝えました。米国の対外援助業務を担う米国際開発局(USAID)の本格的な活動を再開させることも表明しました。
会談後の共同記者会見でオバマ氏は、これまでの「ビルマ」ではなく「ミャンマー」の呼称を使用。「(訪問は)長い旅程の第一歩だ」と両国関係の発展に意欲を表明し、「ミャンマーの民主的、経済的な改革は、素晴らしい発展の機会をもたらし得る」と述べました。
テイン・セイン氏は「会談ではミャンマーの民主主義の発展と人権の伸長は国際水準に合わせるべきだという合意に達した」と語りました。
同氏はオバマ氏の訪問に先立ち、約40人の政治囚を含む囚人500人以上を特赦しました。米国はまだ数百人の政治囚が収監されていると主張。全政治囚の釈放が経済制裁を全面解除する条件の一つになるとしています。
スー・チー氏はオバマ氏と会談した後の記者会見で、米国がミャンマーの改革支援に乗り出したことを歓迎する一方で、「表面的な改革を成功と勘違いしないよう気を付けるべきだ」と指摘。「国民のための真の改革に向かって努力する」と述べました。