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2012年11月19日(月)

きょうの潮流

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 「1863年1月1日に、…奴隷として所有されているすべての人々は、その日ただちに、またそれより以後永久に、自由を与えられる」▼1862年9月22日、アメリカのリンカーン大統領が発した奴隷解放の宣言です。以来、ことしでちょうど150年。アメリカでは、黒人の大統領が再選されました。しかし、人種差別の根絶やしまでは道半ばというところでしょうか▼そんなことし、作曲家スティルの作品を聴く機会がふえました。1978年に83歳で亡くなったスティルは、アフリカ系アメリカ人作曲家の偉大な先がけとして尊敬を集める人です。アフリカ系アメリカ人の黒人霊歌やブルースを、西洋の古典音楽の形で表現しました▼20年ばかり前に聴いた交響曲2番「新しい人々の歌」が、彼の音楽との出合いです。なんといっても交響曲1番「アフロ=アメリカン」が親しみやすい。ジャズの感覚の中に、なつかしみに満ちた旋律が静かに流れたり、浮き浮きするような活気がはじけたり▼しかし、歌や語りを交え、白人たちが黒人を木につるして殺す私刑(リンチ)を告発する曲もあります。あるいは、短いオルガン曲「悲歌」の、文字通り、魂の叫びをともなう底知れない悲しみの深さ▼アフリカ系アメリカ人音楽のゆたかさにひたらせるとともに、彼らが歩んで来たイバラの道を振り返らせるスティルの音楽。しかし、そこに聴かれる、しいたげられてきた人間が失わなかった誇り高さや自由な世へのあこがれは、万人共通です。


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