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2012年11月15日(木)

主張

GDPマイナス

内需拡大の経済対策が急務

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 国内景気の悪化が一段と鮮明になってきました。今年7月から9月までの国内総生産(GDP)の実質伸び率は前の3カ月に比べてマイナス0・9%、年率換算で3・5%の大幅なマイナスとなりました。3期ぶりのマイナス成長です。新興国など世界経済の減速に伴い輸出が前期のプラスから5%減に転じ、企業の設備投資も落ち込みました。個人消費も0・5%のマイナスでした。輸出(外需)頼みでは日本経済が立ち行かなくなっていることを改めて示しました。内需の拡大に重点を置いた経済対策こそが急務になっています。

景気は「後退局面」入り

 政府は景気が“すでに後退局面入った可能性が高い”という見方を示してきました。今回の結果は、これを裏付けるかたちです。

 GDPの約6割を占める個人消費の減少は「エコカー補助金」の終了などで自動車の販売が減り、家電製品なども売れなくなっていることが響いています。消費者の購買意欲を示す10月の指数は2カ月連続で低下しています。消費がますます落ち込む可能性もあります。

 個人消費落ち込みの背景には労働者の賃金の減少があります。2011年の雇用者報酬(名目)はリーマン・ショックで落ち込んだ09年の水準は上回っているものの、05年に比べると9兆円も減少しています。材料や製品の生産の動きを示す「鉱工業生産指数」も3カ月連続で減っています。

 景気の「後退局面」入りというこの時期に、民自公が社会保障制度の改悪と消費税大増税を国民に押し付けようとしていることは許されません。帝国データバンクの調査では、消費税率の引き上げにより企業の67%が業績に悪影響が出ると回答しています。

 消費税増税は、国民の家計と長引く不況に苦しむ中小企業に一層深刻な影響を及ぼすだけです。

 消費税増税と社会保障の一体改悪によって、国民には15年度までに20兆円もの負担増がかぶせられます。負担増は消費に回るお金の減少をもたらします。消費が冷え込めば生産も減少し景気も悪くするという悪循環に拍車がかかることは明らかです。社会保障の大改悪と消費税増税計画は今すぐ中止するべきです。

 大手電機・情報企業が進める大量の人減らし・リストラは労働者の暮らしを脅かすものとして重大です。労働者の人権を無視した違法な「退職強要」が行われています。雇用不安が個人消費の冷え込みをより深刻にし、下請け中小企業と地域経済に打撃を与えています。政府は違法行為を直ちにやめさせるべきです。

家計と中小企業が鍵

 内需主導の経済成長路線に切り替えることは切実になっています。

 政府の景気対策は、大企業がもうかればいずれは家計にも“おこぼれ”が回ってくるという大企業中心の「成長戦略」にもとづいた政策が繰り返されるだけです。これでは悪循環を断ち切ることはできません。

 経済成長の鍵を握るのは国民の家計・雇用と中小企業です。国民の所得を増やし、中小企業の仕事と安定した経営を取り戻すための政策が必要です。人間らしい生活と雇用を確保することなしに、経済の発展はありません。


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