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2012年11月10日(土)

主張

沖縄中学生暴行事件

米兵の身柄引き渡しを求めよ

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 米軍兵士が沖縄県読谷村(よみたんそん)の住宅に侵入し中学生を殴打するなどの暴行事件を起こしたのに、アメリカに米兵の引き渡しを求めもしない政府に批判が強まっています。

 藤村修官房長官は2日発生した事件直後の記者会見で「起訴前の身柄引き渡しを要請する必要はない」とのべました。引き渡しを求める県民の声をふみにじるものです。読谷村議会は5日可決した決議で「米国追従の姿勢でしかない」と強く抗議し、「早急に日本側へ引き渡す」よう求めました。14日には村民大会も開催されます。政府は県民の声に応えるべきです。

退院したのに逮捕せず

 事件は、米軍嘉手納基地所属の米兵が外出禁止令のでている夜11時以降も居酒屋で飲酒し、酔って暴れたうえ、店の上の住宅に侵入し、中学生を殴打し、テレビを壊したというものです。屈強な米兵が押し入り、中学生を殴打し恐怖に陥れたのは絶対に許されない凶悪な事件です。政府がはじめから犯人の身柄の引き渡しを求めない態度を示したのは重大です。

 現場には日本の警察官が駆けつけました。本来ならその場で米兵を現行犯逮捕するところですが、米兵が3階から転落して負傷していたため人道的見地から日本側が北谷町(ちゃたんちょう)にある米海軍病院に搬送したのです。米兵はすでに退院しており、経過に照らしても日本側が身柄を拘束するのが筋です。身柄引き渡しを求めることに何の問題もないのに、日本側が引き渡しを求めないのでは、日本はたいした扱いをしないという誤ったメッセージをアメリカに送ることになります。これでは米兵犯罪を助長することにしかなりません。

 米兵は「酔っていて覚えていない」と暴行の容疑を認めていないと伝えられています。身柄を拘束しないままでの警察による取り調べには限界があります。藤村官房長官が事件発生直後に身柄の引き渡しを求める必要がないとのべたのは、警察の手をしばる意図があったといわざるをえません。実際、警察は米兵を逮捕もせず、身柄引き渡しをアメリカに求めることもしていません。

 政府がアメリカに身柄の引き渡しを求めないのは、刑事裁判権の行使にあたって「実質的に重要でない」ものは起訴しないと日本政府がアメリカに密約しているからです。藤村官房長官がこの密約にそって、アメリカに米兵の身柄の引き渡しを求めないとすればあまりに屈辱的です。日米軍事同盟優先でアメリカにものもいわない態度は正されるべきです。政府が米兵の身柄の引き渡しをアメリカに求めなければ、政府自身が県民世論に追い込まれることになります。

安保も基地もなくせ

 沖縄県民は本土復帰後も米兵犯罪に脅かされてきました。8月、10月に続き、またもや犯罪をくりかえした米軍に県民は怒り心頭です。夜間外出禁止令や綱紀粛正では米兵犯罪はなくせません。日本共産党沖縄県委員会が抗議申し入れを行ったさい、マグルビー米総領事が「人間のやることだから百パーセントはありえない」と、実際には「綱紀粛正」が守られていないことを認めたのは重大です。

 米兵犯罪をなくすには米軍基地とそれを認めている日米安保条約をなくすのが最も近道です。「安保も基地もなくせ」の声を全国に広げることが重要です。


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