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2012年11月9日(金)

格差・社会保障・環境を強調

胡総書記報告 中国共産党大会始まる

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 【北京=小林拓也】中国共産党の第18回大会が8日、北京の人民大会堂で開幕し、胡錦濤党総書記(国家主席)が中央委員会報告を行いました。

 胡氏は、2020年までに小康社会(ややゆとりのある社会)を全面的につくりあげることの重要性を指摘し、国内総生産(GDP)と都市・農村の住民の収入を10年比で2倍にする目標を提起しました。

 胡氏はまた、発展の不均衡、地域・所得の格差、貧困、幹部の腐敗など「少なくない困難や問題がある」と指摘しました。

 貧富の格差拡大への対応として、「所得分配制度の改革」を通じて「貧困を大幅に減らす」と強調。国民生活の分野では、「社会保障制度を全国民に行き渡らせる」ことや「住宅保障システムの確立」などを提起。「高齢化への積極的対応」も盛り込みました。

 住民運動も相次いでいる環境問題では、二酸化炭素や汚染物質の排出総量を大幅に減らし、「住居環境を著しく改善させる」と掲げました。

 政治制度改革では、「人民民主を絶えず拡大する」と主張する一方、「西側の政治制度モデルを引き写ししない」と指摘。法治制度の整備や人権の尊重・保障も盛り込みました。

 外交については、「平和外交政策」の実行を改めて確認。同時に、「国の海洋権益を断固守り、海洋強国を建設する」と強調。「断固として国家主権、安全、発展の利益を守り、外部のいかなる圧力にも屈服しない」と述べました。

 胡氏は、協調的で持続可能な発展を目指す「科学的発展観」を、毛沢東思想、ケ小平理論などとともに「党が長期的に堅持しなければならない指導思想だ」と宣言。今大会での党規約改正で、科学的発展観が毛沢東思想などと並び「指導思想」に格上げされるのは確実とみられます。

 大会の会期は14日まで。胡総書記や温家宝首相らは党の指導部を退き、15日に開かれる第1回中央委員会総会で新指導部人事が決まります。

腐敗、強い危機感

 【北京=小寺松雄】胡錦濤総書記は中央委員会報告で、党建設と腐敗問題について強い危機感を表明し、「変質を防ぎ、危機を防止する力をつけよう」と訴えました。

 胡氏は「少数の党員幹部は理想、信念が揺らいでいる」「国民大衆から遊離するという危機がある」と指摘。「反腐敗闘争の情勢は依然として厳しい」「この問題を解決できなければ党を傷つけ、国家も滅びる」と警告しました。

 特に党員に求められるものとして「先進性と純潔性」をあげて党の原点を強調。そのうえで、「共産党員の清廉潔白の本質を永遠に保とう」と呼びかけました。

 また、党組織や下部機関に「上に政策あれば下に対策あり」として指令に従わない現状があることを挙げ、「決して許されない」と厳しく批判しました。

 前大会以降、党の中央委員以上では、薄熙来(はくきらい)前重慶書記(政治局委員)、劉志軍前鉄道相という2人の除名者がでています。両人とも巨額の収賄容疑のほか、薄氏の妻は殺人罪での執行猶予付き死刑判決が出るなどの事件も起こっています。


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