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2012年11月8日(木)

主張

米大統領選

内外で姿勢問われる2期目

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 米国のかじ取りは、民主党のオバマ大統領がふたたび担うことになりました。「大接戦」のなか、選挙結果がすんなり決まったことは不透明感を晴らすものでした。

 2期目の政権には真価が問われます。格差の広がりなどを背景に、米国内で深まった「リベラルと保守の二極分化」のなかで、米国をどこに導くのか? その方向はまだはっきりしません。

変化のただ中で

 出口調査によれば、米有権者にとって最大の関心事は経済問題でした。2007年以来の景気の極端な落ち込みが、大企業・富裕層優遇や規制緩和などブッシュ前政権による「負の遺産」だったことは明らかです。選挙結果は、無保険者の解消をめざす医療保険改革や富裕層への増税など、オバマ政権の経済改革が国民の支持を得たことを示したものです。

 しかし、下院で野党が多数を占める状況は変わらず、政権運営は依然として困難を抱えています。「二極対立」のもとで「小さな政府」を迫る運動を乗り越えるには、国民の連帯に根ざした新たな運動の支えが必要です。

 ブッシュ前政権が追求した、米国の圧倒的な軍事力にモノをいわせた「一国覇権主義」がイラクとアフガニスタンの泥沼のなかで破綻しました。4年前、国際的孤立を深める米国の「変化」を掲げて、オバマ政権が登場しました。イスラム諸国との関係改善を呼びかけ、「核のない世界」を打ち出しました。公約だったイラクからの米軍撤退を実現させました。

 今日、世界はさらに大きく変化しています。経済でも国際政治の分野でも、ブラジル、中国、インドなど「新興国」の台頭は目覚ましいものがあります。アジアでは地域の平和共同がさらに前進し、中東では曲折を経ながら民主化が進み、かつて米国の「裏庭」といわれた中南米でも自主的な発展の方向が追求されています。

 これに米国は今後どう向き合おうとするのでしょうか。大統領選の議論をみる限り、その姿勢は世界の変化に沿ったものではありません。共和党のロムニー候補の周辺に集まった、米国を「特別な国」とみなし覇権主義を主張する人びとからの攻撃に、オバマ陣営も「力の政策」ぶりを競いました。

 オバマ大統領が国際テロ組織アルカイダを率いたビンラディンを殺害したことを成果として誇り、「私が大統領である限り世界最強の軍事力で敵を追い詰める」(米紙への寄稿)と主張したのはその典型です。2期目のオバマ政権が、「力の政策」をとるなら、米国は孤立を深めざるを得ません。

 世界的な変化を反映して、国際間の対立が多様化し、深まる傾向もあります。対立を紛争に発展させない努力こそ求められています。軍事でなく、外交による解決がなにより重要です。

日米同盟の行方は

 対日政策では、オバマ政権の4年間基本的に変化はありませんでした。沖縄へのオスプレイ配備や軍事負担の押しつけとならんで、輸出を拡大するための環太平洋連携協定(TPP)の押しつけもいっそう強まることが考えられます。

 野田佳彦政権は日米同盟を対外政策の支柱としていますが、軍事面でも経済面でも米国との一体化を進めることは、日本国民に新たな困難をもたらすものです。


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