2012年11月6日(火)
ハンセン病療養所職員削減
脅かされる命と尊厳
大幅増員求め集会 東京
「いまハンセン病療養所のいのちと向き合う! 実態を告発する市民集会」が5日、東京都内で開かれ、全国から450人が参加しました。主催は、全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協)など5団体でつくる「ハンセン病療養所の将来構想をすすめる会」。
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食事・排せつの手足りず
全国に13ある国立ハンセン病療養所(入所者約2千人)では、平均年齢が82歳を超え、病気の後遺障害の重度化が進んでいるにもかかわらず、「行政改革」による国家公務員定員削減の対象にされ、職員の大幅削減が続いています。
全療協の神(こう)美知宏会長が、この1カ月間、全療養所を訪ねて調べた医療・看護・介護の実態を報告しました。職員の削減が介護職員に集中しているため、不自由者の食事、入浴、排せつなどの介護への影響が深刻な状況と指摘。「国は長年の強制隔離政策の過ちを断罪され、08年に制定されたハンセン病問題基本法で、医療、看護、介護などの充実に努力すると決めました。しかし、法律が形骸化、棚上げされ、人としての尊厳や命が脅かされている」と告発しました。
岡山県の邑久光明園副園長の青木美憲医師や、青森県の松丘保養園の介護職員が現状を報告。両氏は「たとえ認知症になっても尊厳を失うことなく安心して生活するには多くの人手が必要」などと訴えました。
ハンセン病違憲国賠訴訟全国原告団協議会の谺(こだま)雄二会長は、「人手が足りず暑い日も寒い日も週3日しか入浴できない」などの実態を告発しました。
鹿児島県の星塚敬愛園の入所者3氏が、政府の対応次第ではハンスト、座り込みも辞さない決意を語りました。上野さんは、「生きていてよかった、と本当に思えるようにしてほしい。国の目を覚ますため多くの人が私たちと一緒にたたかってほしい」と訴えました。
徳田靖之弁護士が「文字どおり命を削るたたかいです。支援の輪を大きく広げてほしい」と呼びかけました。
集会では、国家公務員の定数削減の対象からハンセン病療養所を除外し、看護師、介護員の大幅増員を図ることなどを求める決議をあげました。
各党国会議員が参加。日本共産党から田村智子参院議員、塩川鉄也衆院議員が参加しました。