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2012年11月5日(月)

民主党「中道」言い出したが…

「いまさら」の声も

「自民党化」をごまかし

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 民主党が総選挙を前に「中道」「中庸」を強調し始めました。

 安倍晋三総裁のもとでいっそう右傾化する自民党や、石原慎太郎前東京都知事、橋下徹大阪市長率いる「日本維新の会」の改憲路線と対比して、自分たちの「違い」「バランスのよさ」を押し出すための議論です。

 民主党の仙谷由人副代表(元官房長官)が代表質問(10月31日)で、「改革志向の『民主中道』こそが、民主党の理念、立ち位置だ」と表明。野田佳彦首相も29日の所信表明演説で、「私たちの背負う明日への責任を果たす道は、中庸を旨として、意見や利害の対立を乗り越えていく先にしか見出せません」と述べました。

 1日の同党の全国政策責任者会議で、細野豪志政調会長は「石原前都知事の憲法を破棄するという考え方や、安倍自民党総裁の戦後レジーム(体制)を乗り越えるという考え方と、私どもの考えは明らかに違う。『それはおかしい』といわないといけない」と述べました。

説得力はなし

 民主党の「自民党化」で、玉突きとばかりに自民党がいっそう右寄りとなったことを利用して、違いを押し出し差別化をはかろうというのです。

 しかし、2009年総選挙の公約をことごとく投げ出し、公約違反の消費税増税を自民・公明両党との談合で進めたり、米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の「移設」問題では辺野古新基地建設(同県名護市)に逆戻りするなど、完全に自民党化しておいて、いまさら「中道」といっても説得力はありません。

 民主党を離党した沖縄選出議員は、「自民党野田派といわれて、『自民党とは違う』といいたいのだろうが、民主党がやってきたのは自民党と同じか、自民党でもやれなかったようなこと。言葉だけで中道だといっても国民には理解されない」と批判します。

 それどころか民主党は、原発再稼働を強行し、環太平洋連携協定(TPP)や集団的自衛権行使容認に前のめりになってきました。

 別の離党議員は、「原発やTPP、オスプレイ問題をめぐって、国民の立場に立つのか、多国籍企業やアメリカの立場に立つのかが問われ、野田首相は国民の声を無視してきたのに、いまさら中庸も何もない」と述べます。

“極論”と排除

 しかも野田首相は「国民生活へのさまざまな影響を度外視して、原発を即座になくそうという主張も、明日への責任を果たすことにはなりません」(所信表明演説)と述べ、「原発即時ゼロ」を求める国民世論を“極論”として排除しています。狙いは石原・安倍両氏らの右翼的主張と並べ、国民の多数意思をも“極論”と決め付け排除することにあります。かつての民社党の「左右の全体主義を排する」という主張と変わりありません。

 民主党議員からも「選挙対策に誰かの思いつきで言いだしたのだろうが、『中庸』といっても中身はない」、「消費税増税やTPP推進、原発再稼働など、現実に進めてきたことを変えるのでなければ意味はない」と疑問の声があがります。

 (中祖寅一)


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