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2012年11月4日(日)

独 自動車・電機・化学

派遣労働者 大幅賃上げ

「正規」に接近

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 ドイツの自動車・電機産業部門と化学産業部門で働く派遣労働者の賃金が1日からいっせいに引き上げられました。同一労働同一賃金に近づく動きとして注目されています。それぞれ、金属産業労組(IGメタル)と鉱業・化学・エネルギー労組(IG BCE)が使用者側と今年5、6月に合意していたもので、労働者側はさらに他産業でも引き上げようと交渉しています。(片岡正明)


対象20万人以上

 合意によると、派遣労働者は就労期間により五つに区分され、それぞれが賃金是正のための特別手当を受け取ります。特別手当は就労期間6週間後では給与の15%、3カ月後で同20%、5カ月後で30%、7カ月後で45%、9カ月後で50%。自動車・電機産業に働く派遣労働者だけで20万人以上が対象となります。

 南ドイツ新聞によると、特別手当と同時に実施された最低賃金引き上げにより、自動車・電機、化学産業の派遣労働者の1時間当たりの最低賃金は8・19ユーロ(1ユーロ=約103円で約844円)となり、労組が要求している全国一律の最低賃金8・5ユーロに近づきました。また、すでに9カ月以上働いた派遣労働者の賃金は12・29ユーロになり、化学産業分野での正規労働者の賃金13・39ユーロにあと一歩に迫ります。

 ドイツでは、同一労働同一賃金の原則が2003年の法改正で盛り込まれたものの、労使が労働協約を結んだ場合は例外とされました。このため、賃金格差は残されたままでした。

 一方で派遣労働者の数は増え続け、現在は約90万〜100万人に上るとみられています。労働組合側は、派遣労働者の低賃金が正規労働者の賃金悪化につながることを懸念し、近年の労働協約交渉では、派遣労働者の待遇改善を正面に押し出してきました。

EU諸国が批判

 ドイツ政府も“ドイツは競争力をつけるために労働者の賃金を抑制してきた”とする他の欧州連合(EU)加盟諸国の批判を受け、低賃金労働者の賃金引き上げを提唱。フォンデアライエン労相は、使用者側に対し「派遣労働者についての待遇改善に合意できないならば、法にあるとおり同一労働同一賃金を適用する」と警告していました。


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