「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年11月4日(日)

主張

米軍の無法

県民の怒りと不信は限界だ

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 米海兵隊の新型輸送機オスプレイの配備強行に沖縄県民がこぞって反対しているなかで、米兵による女性暴行事件に続いて、中学生などへの暴行事件がまたまた発生しました。口先だけの「綱紀粛正」にはもうだまされません。県民の怒りと不信はもう限界です。

 しかもアメリカに対してまともに抗議さえしない日本政府が、暴行事件発生の当日、沖縄に配備したオスプレイの本格的な訓練を今月から始めると発表しました。沖縄だけでなく日本各地で危険な低空飛行訓練を行います。米軍と米政府だけでなく、日本政府自体がその姿勢を問われます。

基地あるがゆえの犯罪

 1日深夜から2日未明にかけ、米軍の嘉手納基地所属の米兵が引き起こした事件は、いいわけの余地さえまったくないものです。嘉手納基地に近い読谷村内の飲食店で外出が禁止されている夜11時以降も飲酒し、飲食店で暴れたうえ、店の上の階の住宅に侵入し、中学生に暴行したというのです。

 10月16日に発生した女性暴行事件をきっかけに米軍は夜間外出禁止を決めていますが、今回事件を起こした米兵のように基地外に住む米兵は守っていなかったといわれます。形ばかりの「綱紀粛正」は、基地あるがゆえの犯罪にはまったく効果がありません。

 沖縄県民だけでなく、横須賀(神奈川県)や佐世保(長崎県)など米軍基地周辺の住民は、米兵による殺人、暴行などの凶悪犯罪や、航空機による騒音、さらには墜落の危険など基地あるがゆえの事件や被害に苦しめられてきました。米兵が事件を起こすたびに米軍は「綱紀粛正」を約束し、基地被害を起こさないよう気をつけると約束してきましたが、その約束が守られたためしはありません。

 県民の反対を押し切り、沖縄に配備したオスプレイについても、米軍は日本政府と合意した人口密集地の上空を飛ばないなどの約束を守っていません。オスプレイは配備された普天間基地がある宜野湾市だけでなく、那覇市や浦添市でも密集地の上空を飛びまわっています。「できる限り学校や病院を含む人口密集地上空を避ける」という合意はほごにされています。もっとも危険といわれる固定翼モードからヘリモードへの切り替えも、基地上空に限るなどという日米合意はまったく守られていません。

 かつて占領した国に基地を置き、「人殺し」を任務として軍事的な都合を最優先する米軍を、「綱紀」の粛正や抜け穴だらけの「安全」の合意で縛れるはずはありません。日本政府は事故が起きれば米軍に抗議し、「米国は合意を尊重する」などとごまかしていますが、基地あるがゆえの事件や被害をこれ以上押し付けるのは許されません。

自国民を守らない政府

 米兵による暴行事件が繰り返されたさなか、日本政府が、今月からオスプレイが本格的な訓練を始めると発表したのは自国民の安全を守る独立国としての自覚をまったく欠いたものです。オスプレイは沖縄だけでなく、日本各地で年間300回以上もの低空飛行訓練をおこないます。国民が危険にさらされるのは目に見えています。

 いまこそ米軍の無法を野放しにしないため、日本から米軍基地自体を撤去し、大もとの安保条約を廃棄する世論と運動が重要です。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって