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2012年11月3日(土)

国際援助団体報告書

世界の貧富格差最大

20年来 子どもの死亡率でも

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 英国に本部を置く国際援助団体セーブ・ザ・チルドレンは、1日に発表した報告書「平等に生まれて」で、世界の貧富の格差が1990年代以来最大となっており、子どもの死亡率などの面でも富裕層と貧困層の間で格差が広がっていると警告しました。(夏目雅至)


 報告は、ロンドンで同日開かれた2015年以降の開発問題に関するハイレベルパネル会合を前に公表されました。同会合は国連ミレニアム開発目標(MDGs)が達成期限とする15年以降の貧困、飢餓克服の課題を明確にするために、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が設置しました。

前進見られたが

 報告によると、一部の国では、最も富んだ家族と最も貧しい家族の格差は過去20年間で179%拡大。子どもの貧富の格差は35%拡大し、5歳未満で死亡する貧困層の子どもの数が富裕層に比べて2倍以上に達している国もあります。

 報告は、極端な貧困状態で暮らす人は90年には世界全体で20億人いたものの、現在は13億人に減少し、子どもの死亡率も同期間に半減するという前進が見られたと指摘。一方で、最貧困層はこの進展から取り残されていると警告しました。同じ国に住む子どもの間で、5歳未満児の死亡率、教育の機会の保障、栄養摂取などで格差が広がっているとしています。

不平等克服カギ

 セーブ・ザ・チルドレンのジャスティン・フォーサイス理事長は、「この数十年で世界は、子どもの死亡数削減と機会の向上の点で劇的な進歩を成し遂げてきた。われわれは、予防可能な子どもの死亡をなくすという目標を、われわれが生きているうちに達成できるかどうかの分岐点にいる」と指摘。「(達成のカギは)不平等を克服する努力にある。不平等が克服できなければ、MDGsも将来の開発の枠組みも失敗するだろう」と強調しました。

 報告は、このほか次の点を指摘しました。

 ▽調査を行った32の発展途上国の多くで90年代以降、国民所得の中で富裕層の占める割合が増大している。

 ▽ナイジェリアでは最貧層の子どもの5歳未満死亡率は、最富裕層の子どもの2倍以上に達している。

 ▽タンザニアの5歳未満児死亡率は、最富裕層では90年から現在までに出生1000人当たり135人から90人に減少した。最貧層では同期間に140人から137人への減少にとどまった。


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