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2012年11月3日(土)

主張

文化の日

今こそ文化を応援する政治へ

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 「文化の力が被災者にとって、復興に向けて前向きに生きていく原動力となった」

 文化庁の文化審議会文化政策部会が9月に発表した提言には、東日本大震災の被災地からのこんな報告が紹介されています。

復興の原動力に

 3・11以後、多くの芸術・文化団体や芸術家が被災地を訪れ、公演やワークショップなどの活動を通じて生きる希望を分かちあってきました。福島県のいわき芸術文化交流館アリオスは、地域のコミュニティー施設でおこなう「コンサートのおかげで、地域のお年寄り同士の交流が復活した」と報告しています(ニッセイ基礎研究所との共編著『文化からの復興』)。

 文化財・美術関係の団体や専門家が被災文化財のレスキュー(救援)やドクター(建造物復旧支援)事業にかけつけました。地域の祭りや民俗芸能を復興する動きも広がっています。それはかけがえのない地域の歴史や文化財の価値を見直す機会にもなっています。

 大震災・原発事故から1年7カ月余―。被災者のいのちと暮らしが脅かされる状況が続く日本の現状に目を向け、未来への模索と探求をこめた芸術創造の営みが、映画や演劇、文学、音楽、美術、写真をはじめ各ジャンルで広がっています。そうした作品からは、震災と原発事故を風化させまいとする熱い思いが伝わってきます。

 芸術・文化を支える政治を希求する動きも発展しています。

 さる9月、日本芸能実演家団体協議会(芸団協)などが運動をつづけてきた「文化芸術政策を充実し、国の基本政策に据えることに関する請願」が、衆参両院で、全会一致で採択されました。

 民主党政権が「事業仕分け」で文化庁の事業の縮減や廃止を決定し、芸術団体への助成を3年で2分の1に減らす方針をうちだしたのに対して、芸術団体や芸術家が文化予算拡充を求める署名に立ち上がり、3年越しでとりくんだ運動が実を結んだものです。

 しかし、来年度の文化庁予算概算要求は、全体では1070億円(前年度比3・7%増)となっているものの、舞台芸術や芸能などの実演芸術を担う芸術団体への支援をひきつづき減額しています。民主党政権のこうした姿勢は、国民の切実な願いに背くものです。

 しかも、復興予算の流用が問題になる一方で、東北地方沿岸部では、多くの文化ホールや博物館は再開のめどさえ立っていません。

 民主・自民・公明3党が強行した消費税増税は、芸術・文化団体の活動にも重くのしかかります。それは国民が文化を享受する機会を奪うことに直結します。

 芸術・文化への新たな攻撃も見過ごせません。なかでも橋下徹大阪市長が大阪市音楽団の廃止や大阪フィル、文楽協会への助成金大幅削減を決めたことは重大です。

多くの人と力あわせ

 芸術・文化に冷たい政治と、国民のいのちや暮らしをないがしろにする政治とは表裏一体です。

 日本共産党は、文化を切りすてる動きと対決し、広範な文化団体と協力して文化予算拡充の請願採択を働きかけるなど、文化が豊かに花開く日本へ力をつくしてきました。文化を応援し、その発展を促す政治への転換をめざして、これからも文化を愛する多くの人々と力をあわせていきます。


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