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2012年11月3日(土)

規制委が大飯初調査

渡辺教授 活断層疑い高まる

委員長代理 必要なら再調査も

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 関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷地内で活断層の可能性が指摘されている破砕帯(岩盤の亀裂)について、原子力規制委員会は2日、発足後初めての現地調査を行いました。調査団には、規制委の島崎邦彦委員長代理や破砕帯の危険性を指摘した、渡辺満久東洋大学教授(変動地形学)を含め有識者5人が参加しました。

 調査団は4日、今回の調査をもとに、破砕帯が動く危険性があるかどうかを検討する会議を開きます。調査終了後に会見した渡辺教授は、今回の調査で活断層の疑いが以前より強まったとする見解を示しており、検討結果次第で、全国の原発で唯一稼働中の3、4号機が停止を迫られることになります。

 問題の破砕帯は、2、3号機の間を南北に走る、長さ約900メートルの「F―6破砕帯」です。破砕帯の真上には、原子炉で発生した蒸気の冷却ができなくなった場合に海水を取り込んで冷やす機能を持つ非常用取水路があり、破砕帯が動けば壊れる恐れがあります。

 調査団は、F―6破砕帯が延びているとされている敷地北側の台場浜で掘削された幅40メートル、深さ6メートルのトレンチ内に降りて調査。関電が地滑りでできたとしている、すべり面などが表れている壁面を丹念に見たほか、ボーリングで取り出しコアサンプル(柱状試料)などを確認しました。

 F―6破砕帯をめぐっては、1987年の3、4号機の増設許可時や、2010年の耐震バックチェックの際、関電は「破砕帯は新しいものではない」などとして、危険性は無いと主張。国もそれを「妥当」としてきました。

 しかし、渡辺教授は今年6月、周辺の活断層が動く際に、F―6破砕帯が連動して動く可能性が否定できず、重要施設の非常用取水路に影響を与えると指摘。関電が10年の安全審査の時に国に提出した資料の不備も明らかになっていました。

 政府は3、4号機の再稼働を強行しましたが、旧経済産業省原子力安全・保安院が7月に開いた専門家による意見聴取会で、破砕帯の活動性について判断するためには現地での直接確認が必要とする意見が相次ぎました。保安院から追加調査を指示された関電は、トレンチを掘ったり、ボーリングを行って調査しており、規制委による現地調査が行われる直前の先月31日に、調査の中間報告として、「活断層ではない」とする見解をあらためて示しました。

 調査終了後の調査団メンバーによる会見で、渡辺教授は、「(破砕帯が)確実に地層を切っているのを確認したので(活断層の疑いの)レベルが上がった」と強調しました。さらに、原発敷地北側の台場浜のトレンチで、関電が従来言ってきた場所ではなくほかの場所に破砕帯が確認されたことを明らかにし、F―6破砕帯の位置の修正が必要だと指摘しました。

 規制委の島崎邦彦委員長代理は、「(4日の会合での検討の結果)必要であれば再調査を求める可能性がある」と述べました。


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