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2012年10月31日(水)

シリア 空爆最大規模

停戦期間中の死者500人超

ブラヒミ氏 失敗と認識

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 【カイロ=小泉大介】シリア内戦打開のためブラヒミ国連・アラブ連盟合同特別代表が提案したイスラム教犠牲祭期間中(26日から4日間)の停戦最終日となった29日、政府軍は全土で過去最大規模の空爆を強行しました。英国に拠点を置く「シリア人権監視団」によると、停戦期間中の死者は500人を超え、ブラヒミ氏も失敗を認めるなど、事態は打開に向かうどころかますます混迷の度を深めています。

 シリア軍は29日、この夏以降、激しい空爆を行ってきた北部アレッポやイドリブに加え、首都ダマスカス近郊でも戦闘機による爆撃を実施。ロイター通信が住民の証言として伝えたところによると、ダマスカス近郊では100以上の建物が被害にあい、いくつかはがれきと化しました。

 「シリア人権監視団」のアブデルラフマン代表は29日は半日だけで60回以上の空爆が各地で行われたとし、「(昨年3月に)シリアで住民の反乱が開始されて以降、最も激しい空爆となった」と表明しました。

 一方、シリア国営放送は29日、ダマスカス近郊で自動車爆弾による攻撃が発生し、11人が死亡したと報じました。政府軍司令部は同日の声明で、「一時停戦最終日となる4日目も、武装テロ集団は非武装の市民に攻撃を加え、軍の検問所を襲った」とし、停戦失敗は反政府武装勢力の責任だと指摘。さらに「テロ勢力を鉄拳を持って制裁する」などと攻撃継続を宣言しました。

 このような事態を受け、29日にモスクワで会見したブラヒミ氏は、「シリア情勢は非常に危険であり、悪化している」と一時停戦の失敗を認めると同時に、「内戦は終わらせなければならず、新しいシリアはすべての国民によって建設されなければならない」と訴えました。

 また国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長も同日、「政府軍と反政府武装勢力の双方が停戦提案の尊重に失敗したことに深く失望している」とした上で、「すべての勢力が義務を果たし、停戦を推進しなければならない」と強調しました。


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