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2012年10月29日(月)

運動に大きな役割

スモン・公害センター30周年集い

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(写真)スモン訴訟の元原告の女性(左から2人目)と辻川さん(左から3人目)=28日、東京都千代田区

 公害被害者のたたかいの拠点である「スモン・公害センター」の設立30周年記念のつどいが28日、東京都内で開かれ、全国から120人余りが参加しました。

 同センターはスモン東京原告団と同弁護団がスモン訴訟の全面勝利を勝ち取りつくったものです。

 同センターの鈴木堯博理事長は、スモンのたたかいから同センターを拠点とする運動へと発展した経過を報告しました。

 「スモンのたたかいの教訓をいかし公害・環境のたたかいを発展させるために」と題したシンポジウム。元原告の女性(64)=福岡市=はことばを詰まらせながら、便秘の治療のキノホルムが原因で22歳のときスモンを発症し人生が一転しながらもたたかいに立ち上がった経験を語りました。元原告でスモンの会全国連絡協議会事務局長の辻川郁子さんは「『全面解決』という要求があったからこそ、最後まで団結してたたかい勝利し、センターができた」と振り返りました。

 同訴訟弁護団の豊田誠弁護士は「患者は病気の症状で苦しんだだけでなく、ウイルス説が流れ社会・家庭からも疎外された。それでも患者が立ち上がったからこそ、世論をつくり勝利することができた」と述べました。

 臨床・社会薬学研究所の片平洌彦(かたひらきよひこ)所長は1971年から72年にかけて厚生省スモン研究班のメンバーとして被害者と関わりました。薬害被害者早期救済の教訓として、▽早期の救済目的の疫学調査▽発生、多発の社会的要因の解明▽司法的救済精度の改善―など7点を上げました。

 公害総行動の代表や薬害イレッサ訴訟の弁護士らが、同センターの重要な役割について発言しました。

 同日、開かれたスモン恒久対策全国交流集会には、全国のスモン患者が参加。若年で発症した患者が精神的、経済的困難な生活を余儀なくされていることが報告されました。


 スモン 亜急性・脊髄・視神経・末梢神経障害の略称。当時、原因不明で重篤な症状から、患者は差別されました。国は1972年、解明のため「スモン調査研究協議会」を設置。その後の研究で、整腸剤「キノホルム」が原因であることが明らかになりました。


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