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2012年10月29日(月)

きょうの潮流

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 はるか昔、小学生の頃の思い出。教師で読書家だった父親の書棚から勝手に本を取り出して読むのが、ひそかな楽しみでした▼小説から教育の専門書まで、意味はよくわからなくても、おとなびた気持ちに浸れたからです。本の題名はあまり覚えていませんが、本の装丁や手触りは、なぜか鮮明に記憶に残っています▼持ち運びやすいタブレット型コンピューターの急速な普及にともない、注目を集める書籍や新聞の電子化。一方、あらためて「紙の良さ」を見直そうという機運も広がっています▼東京都内で27日、「文字・活字文化シンポジウム」(新聞労連、出版労連、全印総連の主催)が開かれました。講演した言語脳科学の専門家、酒井邦嘉(くによし)東京大学大学院教授は、「紙の本の魅力は、一冊一冊が持つ個性にある」と指摘します。本の大小、デザイン、紙質、活字の種類…。五感に訴えてくる楽しみが貴重で、読む意欲にもつながるというのです▼もちろん電子メディアも多くの利点があります。大量の書籍や新聞のデータを持ち運べ、内容の検索も簡単です。新聞の電子版を「紙とセット」の場合は安くして、両方の販売促進をもくろむ新聞社もあります▼同シンポの資料で趣旨が紹介されていた全印総連の「産業政策提言」に共感しました。「紙メディアか電子メディアか」の二者択一ではなく、どう「共存・共生」できるか、これが大切だと。「文字・活字文化」の豊かな発展は、民主主義社会の進歩につながる可能性も秘めているのです。


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