「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年10月26日(金)

「シリア一時停戦合意」表明

ブラヒミ特別代表

戦闘 全土で依然続く

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 【カイロ=小泉大介】イスラム教の二大祭の一つである犠牲祭(26日から4日間)をめぐり、内戦下のシリア情勢が正念場を迎えています。ブラヒミ国連・アラブ連盟合同特別代表が24日、自身が提案した犠牲祭期間中の停戦に、アサド政権と多くの反政府組織が合意したと発表したことを受け、これが実際に履行されるかどうかが当面の焦点となっています。


 この間、シリアや近隣諸国を訪問し、犠牲祭中の停戦実現に向け奔走したブラヒミ特別代表は24日にエジプトの首都カイロで会見し、「シリア政府から一時停戦に対する合意が得られた」「私が接触した反政府組織のほとんども停戦に原則的に合意した」と表明。そのうえで、「このつつましやかな提案が成功すれば、さらに長期的で実効のある停戦への希望が出てくる」と語りました。

 しかし、同会見の直後にシリア外務省が出した声明は、一時停戦に関しては軍司令官の間で「現在も検討中である」と指摘。一方、反政府武装組織「自由シリア軍」の司令官は外国メディアに対し「政府軍が攻撃を止めればわれわれも止めるが、相手はそうしないだろう」と述べるなど、停戦の行方は予断を許さない状況です。

 シリアではこの4月にも、ブラヒミ氏の前任の特使を務めたアナン前国連事務総長が市街地からの軍撤退や重火器の使用中止などにもとづく停戦案を提示。アサド政権は一度は受け入れを表明しましたが、実際には攻撃はやむどころか内戦状態が激化し、8月にアナン氏が特使を辞任、国連の停戦監視団も撤退を余儀なくされました。

 今回、ブラヒミ氏が一時停戦合意を表明した24日も、シリアでは全土で政府軍と反政府武装勢力による戦闘がつづき、英国に拠点を置く「シリア人権監視団」によると、142人が死亡。首都ダマスカス近郊ドゥマでは、政府軍によるとみられる爆撃で、女性や子どもを含む25人が死亡する事態も発生しました。

 また政府軍が大規模な空爆を行っている北部では、いまも連日数百人規模の住民が隣国トルコに避難しているもようです。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって