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2012年10月20日(土)

労働法改悪は権利侵害

ギリシャ決定に欧州会議

社会憲章違反と判断

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 欧州諸国など47カ国が加盟する欧州会議の社会権委員会は19日、コスト削減を意図したギリシャの労働法改悪の多くは欧州社会憲章に違反し、労働者の権利を侵害するものだとする判断を下しました。

社会権委員会

 欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)はギリシャ政府に債務削減のため、厳しい緊縮政策や労働法改悪などの実施を求め続けてきました。労働法改悪を労働者の人権を侵害するものだとの今回の決定は、ギリシャばかりでなく、債務削減で緊縮と労働法改悪を進めている他の南欧諸国にも影響を与える可能性があります。

 ロイター通信によると、今回、社会権委員会が検討していたのは、2010年にギリシャ政府が決定した法改定。使用者が事前に通知することなく労働者を解雇できる試用期間を1年まで延長できるとしたことと、25歳未満の労働者の最低賃金を国の基準の3分の2に減額するという内容です。ギリシャの公務員労組が社会権委員会に欧州社会憲章違反と提訴していました。

 社会権委員会は試用期間延長が、解雇前に労働者が納得できる通知を得るとした条項に反しているとし、青年の最低賃金を下げれば月580ユーロの貧困ラインを下回ることになると批判。世界経済危機のための予算修正が、欧州社会憲章に公式にうたわれた労働者の権利の侵害に導いてはならないと結論づけました。

 社会権委員会はその判断を加盟国の外相で構成される欧州会議閣僚委員会に勧告でき、閣僚委員会は当該国に是正措置をとるよう求める決議をあげることができます。


 欧州社会憲章 欧州会議による国際人権条約の一つ。1961年に、従来の欧州人権条約にはない社会権を明記するために策定され、労働権と社会保障の権利などを定めています。欧州連合(EU)の基本権憲章にも法源の一つとして影響を与えました。憲章に反する人権侵害の場合に、労組や障害者団体などが欧州社会権委員会に提訴できる議定書も採択されています。


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