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2012年10月12日(金)

トルコ軍 シリア機を強制着陸

国境付近の軍事的緊張も

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 【カイロ=小泉大介】内戦下にあるシリアと隣国トルコとの軍事的緊張がつづくさなかの10日、トルコ軍がシリア旅客機を強制着陸させる事態が発生しました。同日にはトルコ軍参謀総長がシリアからの越境砲撃に対する報復態勢を強化する発言も行っており、両国関係の行方は予断を許さない状況となっています。

 現地からの報道によると、トルコ空軍は10日、F16戦闘機を投入してモスクワ発ダマスカス行きのシリア旅客機(乗客・乗員37人)のトルコ領空通過を阻止し、同国の首都アンカラの空港に強制着陸させました。

 旅客機が重火器を含む武器を積んでいる疑いがあるとの理由によるもの。数時間後に乗客らは自由となりましたが、積荷の一部はトルコ当局に押収されたもようです。

 今回の事態について、トルコのダウトオール外相は、「われわれは無慈悲な虐殺を実行している政権への武器の輸送を止める決意である」「武器輸送目的のためにわが国の領空が使用されることを受け入れるわけにはいかない」と表明。同国外務省は、強制着陸への報復を回避するため、トルコの航空会社にシリア領空を飛行しないよう通達しました。

 一方、3日にシリアからの攻撃により5人のトルコ民間人が死亡して以降、国境をはさみ断続的に両国軍による砲撃の応酬がつづいていることに関し、トルコ軍のオゼル参謀総長は10日、「われわれはこれまでにも報復を行ってきたが、もし(シリアからの)砲撃がつづくのであれば、さらに激しく対抗することになるだろう」と警告しました。

 同軍は10日までに、南東部のディヤルバクル空軍基地にF16戦闘機25機を追加配備しており、約900キロにおよぶ国境周辺の軍事的緊張はかつてなく高まっています。

 トルコが加盟する北大西洋条約機構(NATO)のラスムセン事務総長は9日、トルコとシリア両国に自制を呼びかけつつ、「われわれはトルコ防衛に必要な計画を整えている」と表明していました。


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