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2012年10月10日(水)

シリア・トルコ 双方砲撃、6日連続

潘国連総長 「政治的解決を」

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 【カイロ=小泉大介】シリアとトルコ国境付近における両国の砲撃が8日まで6日連続発生し、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長が「極めて危険な状況」と警告するなど、シリア内戦が地域紛争に拡大する懸念が高まっています。またシリア国内でも政府軍と反政府武装勢力双方の激しい攻撃が続いており、連日多数の死傷者が出ています。

 シリア・トルコ国境付近の双方による攻撃は、3日に発生したシリア軍からの砲撃でトルコ民間人5人が死亡したことに端を発するもの。シリア政府は当初、トルコ側に「偶発的な事故」と説明し謝罪したにもかかわらず、その後も砲撃がやんでいません。

 一方、トルコ軍は3日のシリア側の砲撃直後から報復攻撃を開始。4日には国会が軍の越境攻撃を承認する法案を可決したこともあり、連日の軍事対応に出ています。

 トルコのギュル大統領は8日の会見で、「必要なことはすでに実行してきたが、これからも続くだろう」と報復攻撃継続の意思を強調。内閣のアリンチ報道官も同日の閣議後の会見で、「国会の承認は戦争を導くものではないが、われわれはどの国よりも独立と主権に関し敏感である」と述べました。

 このような事態のなか、潘基文氏は8日、フランスで開催された国際会議で演説し、「シリア情勢は劇的に悪化している。それはシリアの隣国と地域全体に対し、深刻な危険をもたらしている」「シリア・トルコ国境付近における衝突のエスカレーションは極めて危険な状況だ」と表明しました。

 一方、シリア国内では8日、政府軍が中部ホムス、北部アレッポ、南部ダラアなど各主要都市で激しい攻撃を行い、反政府武装勢力が反撃しました。シリアの人権団体などによると、7、8両日だけで戦闘による死者は全土で320人以上となりました。

 英国に拠点を置く「シリア人権監視団」は、昨年3月に政府軍による住民弾圧が始まって以降の死者は7日までに3万2000人以上に達し、過去1週間だけで1200人が死亡したとしています。

 潘氏は8日の演説で、「軍事的行動は事態を悪化させるだけである。私はすべての勢力に対し、暴力を停止し、政治的解決の方向に動くよう要求する。それが危機打開の唯一の道だ」と訴えました。


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