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2012年10月7日(日)

主張

オスプレイ配備

どんなごまかしも通用しない

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 野田佳彦政権がアメリカのいいなりになって「安全」を宣言し、米海兵隊が沖縄の普天間基地への配備を強行した新型の輸送機オスプレイに対し、県民の不安と怒りは強まる一方です。オスプレイの配備は、“殴りこみ部隊”といわれる米海兵隊が、世界各地で軍事活動を拡大するためです。野田政権がオスプレイの配備で日本の安全保障が高まったかのようにいうのはとんでもないごまかしです。一部でオスプレイ配備が尖閣問題などでの中国への圧力に役立つようにいわれているのも軍事対決しか念頭にない危険な考えです。

“殴りこみ部隊”の装備

 野田首相はオスプレイの配備強行にあたって、「オスプレイは、米海兵隊の能力の中核を担う優れた装備であり、その日本への配備は我が国の安全保障にとって大変大きな意味がある」との談話を発表しました。森本敏防衛相も、オスプレイ配備は日本の防衛に不可欠であり、救難活動や人道支援にも役立つなどと賛美しています。

 もともと米海兵隊のオスプレイ配備は日本が頼んだものではなく、アメリカの都合で行う装備の強化を日本政府が安全保障に役立つなどと喜ぶのは、アメリカいいなりの情けない態度です。大震災の救援などのためなら、なにも危険なオスプレイを配備してもらう必要などありません。

 世界中でアメリカ本土以外は日本にしか駐留しない米海兵隊は、中東であれ太平洋地域であれ、アメリカが戦争するときには真っ先に駆けつけて戦闘に参加する危険な“殴りこみ部隊”です。米海兵隊が「日本防衛」の任務を負っていないことはアメリカ国防総省でさえ認めることで、現に沖縄に駐留する米海兵隊は沖縄で訓練し、中東湾岸やイラク、アフガンなどの戦争に出かけてきました。

 オスプレイの配備もその米海兵隊の能力を高めるためで、海兵隊の文書でも、「交戦能力」を高め、「決定的な遠征部隊」になることが配備の目的だと明記しています。オスプレイはこれまでのヘリコプターより高速で遠くまで飛べ、たくさんの荷物や兵士が運べるので、米海兵隊の「航空計画が実施できる」というわけです。

 本来日本の安全は、外交など平和的な手段で確保すべきだというのが、日本国憲法の立場です。日米軍事同盟=安保条約は日本がアメリカの戦争に駆り出される危険を高めこそすれ、日本の安全を守るものでないのは、オスプレイの配備や米軍再編を見れば明らかです。アメリカでも世界でも墜落事故が相次いでいるオスプレイの配備は、国民の安全どころか危険に直結しています。

軍事的緊張高めるだけ

 日本を守るためでもないオスプレイの配備を尖閣など領土問題に絡め、「軍事的な備えを強める」などという論調はとんでもない暴論です。もともと領土問題は平和的な話し合いで解決すべきで、軍事力で圧力をかけて解決すべきものではありません。軍事的緊張の激化は解決に逆行します。

 オスプレイの配備に反対する沖縄県民を「尖閣からめて説得進めよ」(「産経」主張)などという論調があるのは、海兵隊の役割をごまかし軍事対決をあおるだけの二重三重に誤った議論です。県民を脅すだけで、配備に反対する切実な声にこたえることはできません。


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