2012年10月4日(木)
振動病を労災「認定」
福岡地裁 不支給取り消し
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トンネル工事で電動ドリルなどを使って振動障害を発症した労働者が申請した労災補償の不支給処分を不服として訴えていた裁判で福岡地裁(岩木宰裁判長)は3日、不支給処分を違法と認め、取り消す判決をだしました。行政による振動病認定の勝手きままな運用が断罪されました。
訴えていたのは、全日本建設交運一般労働組合(建交労)の組合員で鹿児島県在住の富永明さん(61)。2008年、民間病院で振動病と診断され労災補償を請求しました。しかし福岡・田川労働基準監督署は労災病院で再受診させたうえで09年に不支給と決めました。
判決は振動病の認定基準とされる手指の冷えや痛みなどを伴う三つの障害のいずれもが認められるとし、「振動障害を発症していた」と認定しました。
判決後、「勝利判決」の垂れ幕を掲げて富永さんが姿をあらわすと、九州各地から裁判所前につめかけていた建交労組合員たちから「万歳」が起こりました。富永さんは「行政は医師の診断があればすみやかに救済してほしい」と語りました。
原告・弁護団と建交労熊本県本部は、国に「振動病の認定基準に該当する者をすべて認定することを強く求める」との声明をだしました。