2012年10月2日(火)
野田改造内閣
「増税連合」体現 オスプレイ強行布陣…
民意無視の無反省人事
野田内閣の改造人事(1日)の中身は、消費税増税、原発推進、オスプレイ配備強行など悪政への無反省ぶりを示しています。
先の通常国会で、消費税増税強行で問責決議を受けた野田首相。改造人事は、まったく反省することなく民意に逆らって税と社会保障の「一体改悪」をさらに強力に推し進める布陣を敷き直しました。
自公とのパイプ
内閣の要となる副総理には、税と社会保障の「一体改悪」推進役を果たした岡田克也氏を留任させ、野田政権のもとで党国対委員長を務めた城島光力氏を自公両党とのパイプ役として財務相に据えたのです。
岡田氏は根っからの増税論者であるだけでなく、菅政権時に党幹事長として自公両党との3党協議を仕切った経緯をもつなど、「民自公増税連合」を体現しています。
初入閣組でも、厚労相の三井辨雄(わきお)氏と金融担当相の中塚一宏氏は、もともと小沢一郎氏に近い“反執行部”ながら、消費税増税法案の採決で賛成にまわった「寝返り組」。入閣は、その論功行賞ともいえます。
一方、消費税増税とセットで民意切り捨ての比例定数削減案を推し進めてきた樽床伸二前幹事長代行を総務相に起用。議会制民主主義の土台を崩す暴挙への反省もなく、多数の民意を切り捨てる選挙制度づくりをさらに進めようとしています。
野田首相と共に原発再稼働を進めた枝野幸男経産相、藤村修官房長官は留任。
原発担当相には、原子力規制委員会人事の国会同意取り付け問題で対応した長浜博行官房副長官です。
国家戦略担当相に就任した前原誠司前政調会長は、「原発ゼロ」方針を説明するために訪問した米国で、米政府から懸念を示され「柔軟に対応してほしい」と要請を受けたと説明しています。
米国と財界の圧力を受け、「原発ゼロ」にふれたエネルギー戦略の閣議決定を先送りした野田内閣らしい布陣といえます。
オスプレイ配備問題でも、沖縄をあげての抗議を無視してきた玄葉光一郎外相と森本敏防衛相を留任させました。内閣改造当日にはオスプレイが沖縄普天間基地に飛来し、森本氏は「オスプレイの安全性に問題はない」と強弁しています。
前原国家戦略担当相は、自民党の石破茂幹事長と“盟友”関係。憲法改悪、集団的自衛権の行使、国連平和維持活動(PKO)の武器使用基準緩和などでの過激な発信を続けてきました。
論功行賞的扱い
改造人事では、党代表選で野田首相を支持した議員にポストを配分する論功行賞的扱いも目立ちました。
代表選出馬を党内から要望されながら、最終的には野田首相の支持にまわった田中真紀子氏には文部科学相のポストを用意。法相には、代表選で旧民社グループの票の取りまとめに動いた田中慶秋氏を初入閣させました。
逆に、代表選で野田首相と争った原口一博氏、赤松広隆氏、鹿野道彦氏の入閣はありませんでした。
安住淳、細野豪志両氏を財務相、原発担当相から党役員にまわす一方、幹事長代行、国対委員長と党役員を担った樽床、城島両氏を入閣させた改造人事には、「主流派だけで人事をまわすメリーゴーラウンド内閣」との批判の声もくすぶります。